【特集】見出しで振り返る2019年の観光


 2019年の最終号に当たり、今年の観光業界を本紙の見出しと写真で振り返る。改元に伴うゴールデンウイークの最大10連休やラグビーワールドカップの開催で地方を含めた観光地がにぎわいを見せる一方、地震、台風など相次ぐ自然災害と風評被害の発生、日韓関係の悪化による韓国からの訪日減など、明暗さまざまなニュースがあった1年だった。

1月

■「武道ツーリズム」で外国人客を呼び込め ラグビーワールドカップ開催を前に、スポーツ庁の鈴木大地長官にスポーツによる観光推進をテーマにインタビュー。(1日付)

■臨時出店手続き簡素化 2019年度税制改正で、訪日外国人旅行者向けの消費税免税店の臨時出店の新制度が創設。イベントや祭りに出店する場合、簡素な手続きで免税販売が実施できるようにする。(1日付)

■訪日3000万人突破 2018年の訪日外国人旅行者数が12月18日に3千万人を突破した。JNTOの速報値。(5日付)

■旅客税計上で666億円 政府が2019年度当初予算案を閣議決定。観光庁予算は18年度当初予算比142%増の665億9600万円。1月7日から徴収が始まる国際観光旅客税を充当した予算485億円を一括計上したため、大幅な増額となった。(5日付)

■宿泊業に5年で2.2万人 外国人材の就労拡大に向けて創設された新たな在留資格「特定技能」の活用で、宿泊業は19年度から5年間で最大2万2千人の外国人の雇用が可能になる。(12日付)

■「訪日4000万人視野に」 石井啓一国土交通相が交通運輸記者会の共同インタビューで19年の観光施策を語った。訪日外客について「2020年の4千万人の目標が視野に入ってきた」と述べ、地方への誘客に意欲を示した。(12日付)

■「観光先進国」へ、入選施設に期待 本社主催「人気温泉旅館ホテル250選認定証授与式」が関係者500人を集めて開催。二階俊博自民党幹事長が入選施設など観光関係者を激励した。(26日付)

■訪日9%増の3119万人 2018年の訪日外国人旅行者数は前年比8.7%増の3119万2千人となり、過去最高を記録した。出国日本人数も1895万4千人と過去最高。(26日付)

2月

■件数増も低水準 帝国データバンクによると、2018年のホテル・旅館経営業者の倒産は79件、負債総額は362億8500万円だった。件数は3年ぶりに増加も、依然低水準。(2日付)

■旅館の経営改革促進 観光庁が有識者、旅館経営者ら15人を委員とする検討会を立ち上げ。施設の減少や人手不足などの課題に直面する旅館の経営改革を促進する新たな施策の検討を始めた。(2日付)

■削除・修正指導16% 観光庁が、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく仲介業者などの取扱物件が法令に合致しているかを確認した結果を公表した。適法と確認できなかった物件は延べ6585件で、全体の約16%。(9日付)
■大賞は読売旅行 鉄旅オブザイヤー2018が決定。グランプリは読売旅行が企画したJR只見線の「結婚式列車」が選ばれた。(16日付)

■福島へ10万人送客 全国旅行業協会が「第14回国内観光活性化フォーラム」を福島県郡山市で開催。会員が3~12月に同県へ10万人を送客するキャンペーンの実施を決めた。(23日付)

■誘致、開催で14件表彰 日本政府観光局(JNTO)が2018年度の国際会議誘致・開催貢献賞の受賞会議を発表。「誘致の部」「開催の部」で合計14件を選んだ。(23日付)

3月

■3月末に全線開通 東日本大震災で被災した東北太平洋岸に自然歩道を設け、歩いて復興を支援する環境省のプロジェクト「みちのく潮風トレイル」で、青森県八戸市から福島県相馬市までの全長900キロ超のコースが3月末に全線開通する。(2日付)

■グランプリに「玉城屋」 旅館業の魅力や自館の取り組みをプレゼンテーションする全旅連青年部主催の「第4回旅館甲子園」で、新潟県松之山温泉の「酒の宿 玉城屋」が最高賞のグランプリを獲得した。(2日付)

■国内2%減、訪日11%増 観光庁が宿泊旅行統計調査の2018年年間値(速報値)を発表。全国の宿泊施設の延べ宿泊者数は前年比0.1%減の5億902万人泊となった。日本人が2.2%減、外国人が11.2%増。(9日付)

■客室稼働率じわり上昇 観光庁がこのほど発表した宿泊旅行統計調査の結果、2018年の宿泊施設の客室稼働率は前年比0.6ポイント増の61.1%だった。現行の調査手法になった10年第2四半期以降、上昇傾向にある。(16日付)

■3会場すでに満席 外国人の新たな在留資格「特定技能1号」で就労するために合格が必要な宿泊業技能測定試験の第1回が4月14日、国内7カ所で行われる。3月20日に受験受け付けを開始したが、東京、名古屋、大阪の3会場で定員に達した。(30日付)

4月

■採用活動、支援が鍵 外国人の新たな在留資格「特定技能」の創設を盛り込んだ改正出入国管理法が4月1日に施行された。法務省が公表する資料やQ&Aから、制度活用のポイントを見る。(6日付)

■新元号「令和」に 5月1日からの元号が「令和(れいわ)」に決まった。旅行業界では記念商品を早くも販売。(6日付)

■HACCP義務化に対応 全旅連が食品を扱う全ての事業者に義務化されるHACCPに沿った衛生管理を行うための手引書を作成した。(13日付)

■21年4~9月に東北DC JRグループと東北6県による東北デスティネーションキャンペーンが2021年4~9月の半年間開催されることが決まった。(13日付)

■OTAに立ち入り検査 公正取引委員会が独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで楽天トラベルを運営する楽天、エクスペディア、ブッキング・ドットコムのOT
A3社の関係先を立ち入り検査した。契約する旅館・ホテルに料金設定で競合サイトなどと同等または安い価格にするよう求めるなど不当な取引条件を付けた疑い。(20日付)

■宿泊業技能試験に391人 宿泊業の技能測定試験が国内7カ所で初めて開かれた。受験申し込みはほぼ定員の761人も、当日の受験者は391人。(27日付)

■新会長に田中さん 全旅連の女性経営者の会が総会を開き、新会長に田中美岐さん(京都府・日昇別荘)を選出。時流に即した勉強会で宿の資質向上を目指す。(27日付)

5月

■欧豪の地方誘客に好機 日本政府観光局(JNTO)が9月に開幕するラグビーW杯を契機とした地方のインバウンド振興に注力している。専用ウェブサイトやPR動画で情報発信を強化。(11日付)

■10連休の効果は抜群 本社が全国の主要温泉・観光地にゴールデンウイーク期間中の入り込み状況を聞いた。「谷間なくほぼ満館」「人出お祭りのよう」と、ほとんどが前年を上回り盛況。(18日付)

■新社長に近鉄HD米田取締役 KNT―CTホールディングスが、近鉄グループホールディングス取締役常務執行役員の米田昭正氏が社長に就く人事を発表。6月19日の株主総会、取締役会で決定へ。(18日付)

■「技能実習2号」対象へ 宿泊業が外国人技能実習制度の「技能実習2号」の移行対象職種に追加される。7月ごろに改正省令を施行。「特定技能」に加え、宿泊業に外国人雇用の選択肢が広がる。(25日付)

■初の技能試験280人合格 初の宿泊業技能測定試験で合格発表。受験者391人に対し、280人が合格。合格率は71.6%だった。(31日付)

6月

■温泉地、全国に2983カ所 環境省が2017年度の「温泉利用状況」をまとめた。18年3月現在の温泉地数(宿泊施設のある場所)は全国で2983カ所。前年から55カ所減っていることが分かった。(8日付)

■外国人労働者の受け入れ推進 全旅連が茨城県で全国大会。人手不足の解消に向けた外国人労働者の受け入れ推進や違法民泊の取り締まり強化など、業界を取り巻く諸問題の解決をうたった大会宣言、決議を採択した。(15日付)

■50周年で記念大会 全旅連青年部が全旅連全国大会に合わせて50周年記念大会を開催。次世代の経営者として研さんを積み、宿泊業界の発展に資するとした「大会宣言」を採択した。(15日付)

■水道協会と協定締結 全旅連が日本水道協会と災害時の宿泊施設提供に関する協定を締結した。大規模災害が発生した際、水道設備の復旧に関わる作業員への宿情報提供に全旅連が協力する。(22日付)

■簡易宿所の入会可能に 日本旅館協会が総会、理事会で会員資格を改正。一定の施設要件に合致し、「観光立国の推進」に寄与する意思を持つことなどを条件に、簡易宿所営業の施設を入会可能にした。(22日付)

■宿泊キャンセル続出 6月18日、山形県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生。震源地に近いあつみ温泉、瀬波温泉などは宿泊キャンセルが続出している。(29日付)

■大賞に近畿日本ツーリスト関東 日本旅行業協会が、海外旅行、国内旅行で最も優れた企画旅行をたたえる「ツアーグランプリ2019」の表彰式を実施。大賞の国土交通大臣賞は近畿日本ツーリスト関東の旅行商品。(29日付)

7月

■登録施設拡大目指す 全旅連シルバースター部会が総代会。2019年度事業で、シルバースター登録施設の拡大や、宿泊施設のバリアフリー化推進マニュアルの作成に取り組むことを決めた。(6日付)

■指宿で総会と90周年式典 日本温泉協会が鹿児島県指宿市で会員総会と90周年記念式典を開催。19年度は「日本の『ONSEN』文化を世界に発信する」ことなどに取り組む方針を決めた。(6日付)

■エアポートグループに 国土交通省は、北海道内7空港を一括して運営する民間委託先として、北海道空港会社などで構成する企業コンソーシアム、北海道エアポートグループを優先交渉権者として選定したと発表。(13日付)

■復興支援で短期回復 2019年版「観光白書」。西日本豪雨など18年に自然災害が多発したことを受け、災害が旅行に与える影響を分析している。(13日付)

■首脳宣言に「観光」記載 6月に大阪で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議で採択された「宣言」に、観光による世界経済の成長のけん引と持続可能な開発への貢献に関する記述が盛り込まれた。(13日付)

■国費で宿泊料割引へ 観光庁が山形県沖地震の観光への影響を払拭(ふっしょく)するため、官民挙げた山形・新潟応援キャンペーンを始めた。国費による宿泊料金の割引支援などを準備。(20日付)

■訪日旅行への影響注視 輸出管理の運用見直しや徴用工問題に伴う日韓関係の悪化に関して観光庁の田端浩長官は専門紙向け会見で、韓国からの訪日旅行には「現時点で大きな影響はない」との見方を示した。ただ、訪日を控える動きにつながる可能性もあることから、市場の動向に注視しつつ、引き続き交流拡大に努めると強調。(27日付)

8月

■「観光立国推進」へ初の懇談会 全旅連が旅行業大手5社の社長らと「観光立国の推進に向けた懇談会」を開催。訪日外国人誘客、国内旅行誘客、中小宿泊施設への誘客の三つをテーマに懇談した。(3日付)

■東北復興、二次交通を強化 日本観光振興協会の企画委員会は、観光施策に関する要望書を観光庁に提出した。2020年度に東日本大震災の発生から10年を迎えることを踏まえ、観光を通じた東北復興支援策の強化などを要望。(10日付)

■IRは県観光の芯になる 和歌山県の仁坂吉伸知事に本紙がインタビュー。「IRができると、和歌山の観光に芯が通る」と、IR(統合型リゾート)誘致に改めて意欲を示した。(24日付)

■女性の活躍を促進 観光庁が育児などで就業に空白期間がある女性らの就職を支援する実証事業を開始する。女性人材と東京都内のホテル業のマッチングイベントを11月に開催。(24日付)

■運営法人が設立総会 宿泊業界向けの国家検定試験「ホテル・マネジメント技能検定」を運営する一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会が設立総会を開いた。任意団体から検定試験機能に特化した機関への改編が必要と、法人設立へ。(31日付)

9月

■創刊3000号、これからも観光業界とともに 本紙が創刊3千号。1950年の創刊以来、観光業界の発展に寄与する紙面作りに努めてきた。本紙の過去の紙面から観光業界の歴史の一端を振り返る。(7日付)

■観光活性化で合意 日中韓の観光担当相会合が韓国・仁川で開催。3カ国の担当相が「日中韓国民の相互信頼を深める活発な観光交流」を推進する共同宣言に署名した。(7日付)

■概算要求に737億円 観光庁の2020年度予算の概算要求。東日本大震災に伴う東北の復興枠を除く要求額は19年度当初予算比11%増の737億円。(7日付)

■真の観光立国実現に向けて 本紙の創刊3千号特集で二階俊博・自民党幹事長、全国旅行業協会会長にインタビュー。(7日付)

■これからの週刊観光経済新聞に望む 観光業界関係者172人に本紙の創刊3千号に寄せてのメッセージをいただいた。(7日付)

■IR認定基準示す 観光庁が統合型リゾート(IR)の整備に関する基本方針案を公表。IRの誘致を目指す自治体が申請する区域整備計画を審査するための評価基準などを示した。(14日付)

■観光先進国実現に注力 第4次安倍再改造内閣が発足し、赤羽一嘉衆院議員が国土交通相に就任。会見で観光先進国の実現などに意欲を示した。(21日付)

■旅ホ21軒に建物被害 国土交通省の台風15号の被害状況の集計によると、18日正午時点で県内の旅館・ホテル21軒で屋根や窓ガラスの破損などが報告された。(21日付)

■ペイディーと提携 日本旅館協会がクレジットカードを使わないキャッシュレス決済システム「Paidy(ペイディー)」の提供会社と提携。会員旅館・ホテルにノーショー対策や若年層の誘客に活用してもらう。(28日付)

■韓国の訪日48%減 今年8月の韓国の訪日旅行者数は30万8700人で、前年同月比48.0%減と大きく落ち込んだ。対韓輸出の規制見直しなどに韓国世論が反応。(28日付)

10月

■新潟・山形の応援支援 全国旅行業協会は、山形県沖地震で風評被害を受けた新潟、山形両県の観光復興を支援する「観光応援会議」を両県内で開いた。(5日)

■千葉県観光復興へ 9月の台風15号で大きな被害を受けた千葉県の観光復興へ、旅行業各社や関連企業が動き始めている。(12日付)

■地方に人材を育成 地域観光の担い手となる外国語のガイドの人材育成を目的に設立された一般社団法人インバウンドガイド協会が東京都内で設立発表会を開催。(12日付)

■ミャンマーで試験 宿泊業技能試験センターが27日、外国人就労の在留資格「特定技能1号」の宿泊業技能測定試験をミャンマーで実施する。海外での実施は初。(12日付)

■旅ホ13県178軒に被害 国土交通省の16日午前6時の集計によると、台風19号による旅館・ホテルの浸水、屋根破損などの被害は13県の178軒。北陸新幹線、中央本線、中央道なども被災。(19日付)

■9月訪日客5%増 今年9月の訪日外国人旅行者数は前年同月比5.2%増の227万3千人。韓国が58.1%減と大幅に落ち込むも、ラグビーワールドカップの開催により欧州などからの訪日が増加。(26日付)

■韓国向け広告一部再開 観光庁、日本政府観光局(JNTO)は9月中旬、ターゲットを絞るなどの手法で、韓国の旅行会社との共同広告などの訪日プロモーションを再開した。(26日付)

11月

■持続可能な観光推進 G20観光大臣会合が北海道倶知安町で開催。観光が世界の経済成長をけん引し、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献することを確認した。(2日付)

■大阪・関西で初開催 「ツーリズムEXPOジャパン2019大阪・関西」が東京を離れて初めて関西・大阪で開催され、4日間で想定の13万人を上回る15万人が来場した。(2日付)

■宿泊施設数は4万9502軒 厚生労働省がまとめた2018年度の「旅館・ホテル営業」の軒数。今年3月末時点で旅館とホテルを合わせた軒数は4万9502軒で、前年度から478軒増えた。旅館業法改正で旅館とホテルの営業種別が統合され、旅館、ホテルそれぞれの軒数は示されなくなった。(9日付)

■「巡るたび、出会う旅。東北」 2021年4月から6カ月間開かれる東北デスティネーションキャンペーンのキャッチコピーとロゴマークが発表された。(9日付)

■観光地の誘客サポート 全旅連が中小宿泊施設の活性化策の一環で、全国の観光地の誘客をサポートする事業を開始。3カ所(男鹿、四万、阿蘇)のモデル地区を選定、成功事例とする。(16日付)

■1泊5000円割引 支援 政府が台風15号、19号などで被害を受けた地域の復旧・復興加速へ、1316億円の支出を閣議決定。このうち国土交通省、観光庁は、観光需要喚起へ旅行・宿泊料金を1泊当たり最大5千円割り引く支援策を行う。(16日付)

■災害時の情報収集 国に要望 日本旅館協会が理事会で、北原茂樹会長が赤羽一嘉国土交通相に観光需要の回復、災害時の情報収集の在り方などで要望書を提出したこと
を報告した。台風被害が各地に及んだことを踏まえて。(23日付)

12月

■首里城再建へ支援 10月31日の火災で正殿などが焼失した首里城の再建へ、旅行業界がさまざまな支援策を打ち出している。義援金を社員や顧客に募るほか、支援ツアーを造成し、収益の一部を寄付する。(1日付)

■交流拡大で日韓関係再興 韓国観光公社東京支社が開設50周年を記念したイベントを開催。日韓関係の再興に向けた民間交流拡大や観光活性化について意見を交わした。(1日付)

■韓国が66%減 今年10月の訪日外国人旅行者数は前年同月比5.5%減の249万7千人。訪日旅行を控える動きが続く韓国は65.5%減と9月より減少率が拡大。ラグビーワールドカップの開催で英国など出場国の訪日客は増加した。(1日付)

■「夜の経済」活性化探る 夜の時間帯に外国人旅行者が楽しめる娯楽が少ないといわれる状況を改善しようと、一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会が初のシンポジウムを開催。(7日付)

■草津温泉17年連続1位 本社主催「にっぽんの温泉100選」で草津温泉が17年連続1位。「人気温泉旅館ホテル250選」も決定。「5つ星の宿」は238軒。(14日付)

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