【特集】三重県で「持続可能な宿経営の未来塾」


知事室前での集合写真

NEXTリーダーシップ・プログラム2019 in 三重

 三重県とリクルートライフスタイルの観光調査研究・地域振興機関「じゃらんリサーチセンター」(以下JRC)は4日、「NEXTリーダーシップ・プログラム2019in三重」の修了証書授与式と成果発表会を三重県庁で開いた。出席した旅館・ホテルの受講生たちは、鈴木英敬知事から修了証書を一人一人受け取った。

 JRCは、宿泊業の働き方改革の一環として、持続可能な宿経営を実現するための経営層向け研修プログラムの開発に2017年12月から着手。三重県の協力のもと、同プログラムの実証実験を実施してきた。

 2018年3月には同県と「宿泊業の働き方改革」をテーマに連携協定を締結。同4月から同県との協同プロジェクト「持続可能な宿経営の未来塾」を開始した。受講対象者を中小規模の宿の経営層、次期経営層、幹部リーダー層に設定。(1)経営戦略の再強化・再開発の支援(2)年々難易度が増す人材マネジメントのスキル強化―を目的として2018年度に研修を実施した。

 協同プロジェクトの2期目となった「NEXTリーダーシップ・プログラム2019in三重」は、2019年9月に開始した。受講対象者を中小規模の宿の支配人、マネージャー、部門リーダー層に設定。(1)次世代リーダー層のスキル強化(2)宿を超えた同職種の「横のつながり」強化(3)魅力的な職場環境と仕事のロールモデルづくりーを目的に2020年1月まで行った。12施設、17人が研修を修了した。

 研修は、「いま求められるNEXTリーダーシップ像」「実現したい変革テーマと成功イメージをデザイン」「変革プロジェクトの実践計画づくりに挑戦」をテーマに3回実施。任意参加の分科会も2回行った。

 参加者は、3回の集合研修の中で、自施設や組織のありたい姿を検討。その実現に向けて推進したい施策をまとめ、各自が「(最初の一歩として取り組む)チャレンジ・テーマ」と「マイ・ビジョン(1~3年後のありたい姿)」を決定。その後、自施設に持ち帰って推進し、3月4日に三重県庁で実施した成果発表会で全員がプレゼンテーションを行った。また、各プレゼンの最後で「(今後取り組みたい)チャレンジ・テーマ」と「マイ・ビジョン(1~3年後のありたい姿)」を新たな目標として発表した。

 3期目となる2020年度は、「持続可能な宿経営を『地域単位』で、自走するための仕組みづくりを側面支援」するプロジェクトを計画。個々の宿では乗り越えられない課題を、市町や温泉地などの地域単位で協働する仕組みをつくり、地域としての持続可能性の実現を目指す。

 持続可能な宿経営の未来塾は、三重県旅館ホテル生活衛生同業組合青年部(野村潤部長=リゾートヒルズ豊浜・常務取締役)の後援を得て、三重県とJRCが実施している。

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