政府は訪日外国人観光客を2020年に4千万人にする目標を掲げている。そのかぎを握るのがリピーターの確保だ。
高橋氏は富士箱根ゲストハウス(神奈川県箱根町)の代表で、ビジットジャパン大使でもある。世界75カ国15万人の外国人観光客を受け入れてきた体験をもとに執筆しているだけに、文章は説得力に富む。
本書は「外国人は何を求めて日本にやってくるのか」「なぜ富士箱根ゲストハウスにはリピーターが多いのか」「いかに外国人観光客を地元に迎え入れるか」「『もてなし』を通じた国際交流」―の4章で構成される。
各項目の終わりにある「体験的おもてなしのポイント」は要領よくまとめられており、参考になる。
著者は「観光業界に直接関与しない方々にも読んでいただきたい」と言う。訪日外国人の増加は「黒船来航に匹敵する衝撃を日本国内にもたらすのは必至」だからだ。心構えの意味でも、本書を読む価値はある。
四六判216ページ。定価1620円(税込み)。発行はあさ出版、TEL03(3983)3225。