道後周辺防災訓練
愛媛県の道後温泉旅館協同組合は、商店街や行政などとの合同防災訓練を毎年行っている。3回目を迎え、「地域を街の全員で守るという意識が芽生えている」という。
南海トラフ地震の発生が危惧される中、「温泉地を訪れる観光客に対して、安心・安全を担保する責任がある。来るべき地震に備えるため、机上の空論ではなく、現実に対応できる訓練が必要」と取り組みを始めた。
旅館・ホテル、商店街、市役所支所、自主防災会、銀行、医療機関など、街全体が参加した訓練は、旅館・ホテルの施設内からグラウンドへの避難、安否確認、応急手当のほか、消火や起震車体験、非常食の試食、煙ハウス体験など多岐にわたる。
3回目(平成30年3月1日)の訓練には168人が参加。今回は二つの病院から新たに参加を得て、より本番に近い形の訓練になったという。
組合では、防災士の取得を各旅館・ホテルに推奨しており、約6割の施設で取得がなされている。
また、震度6弱以上の地震が発生した際の宿泊客対応計画を平成27年に策定。計画に沿って各施設は帰宅困難者受け入れのため、最低3日間の食料と水を備蓄している。温泉地が一体となり、防災対策に万全を期している。