【交通トレンド分析42】新型コロナ、新幹線・国内線各社が特別対応 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 新型コロナウイルスの発生に伴う影響は、日本と海外を結ぶ路線だけでなく、国内移動にも影響が出ている。災害などでダイヤが乱れている場合や遅延、運休が見込まれる場合に航空券の特別対応をするケースが多い。ただ新幹線では基本的には列車が運休しない限りは、無料でのキャンセルの取り扱いをしないが、今回、このような対応になった背景としては、政府が2月25日に発表した新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を受けて、各交通機関が特別対応することを判断した。

 国内線の飛行機は、ANA、JAL、スカイマーク、AIRDO、ソラシドエア、スターフライヤーなどの航空各社では、3月2日現在で3月19日搭乗分までの全ての便について無料でのキャンセル・変更の取り扱いをする特別対応を実施している。マイルを使った特典航空券やパッケージツアーなどで使われる航空券も対象となる。各航空会社のホームページなどで購入した航空券は、基本的にはホームページ上でキャンセルや変更の手続きが可能であり、予約センターはかなり電話がつながりにくい状況になっていることから、ネットで取り扱い可能な場合は、できる限りネットで手続きすることを航空会社側はお願いしている。ただ、LCC(格安航空会社)については、執筆時点では特別対応は取っておらず、通常通りに運航する便でキャンセルする場合には規定通りのキャンセル料が必要になるので注意が必要だ。

 またJRについては、3月2日現在、JR東日本・東海・西日本・四国の各社は、新型コロナウイルスの発生に伴い、感染拡大防止を理由に旅行を見合わせる場合においては、乗車券、特急券、グリーン券などを手数料なしで払い戻しする対応を行っている。JR各社がこのような対応をすることは極めて異例であると言える。少しでも感染リスクを減らすための対応であり、実際にダイヤモンド・プリンセス号から下船した人が新幹線で移動をしていたケースもあるなど、不安が拭えないなかで、このような対応をしたことは大きい。JR各社は対象となる乗車期間を設けていないが、約1年先まで購入できる飛行機と異なり、原則1カ月先までしか購入できないことから、3月末もしくは4月頭までの乗車分でキャンセルする場合となる。

 高速バスについてはウィラーが無料でのキャンセルに応じているが、かなり限定的な状況になっている。

 先行きが見えない状況になっており、各交通機関の対応も日々刻々と変化している。最新の情報は各交通機関のホームページで確認してほしい。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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