京都駅から1時間、登録家庭は120軒
宇治茶の産地であり、山を覆うように美しい茶畑が広がる、京都府南部、やましろ地域。茶畑や茶工場の間に民家が点在する独特の風景があり、日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」の舞台でもあります。京都府産の宇治茶の約7割を生産するお茶の郷、和束(わづか)町と南山城村、そして歴史と観光資源に支えられた笠置(かさぎ)町の3町村を中心に、広域で農泊事業を進めています。
京都・奈良に近い田舎
やましろ地域は、京都市内、大阪市内から車で1時間強、宇治市や奈良市から30~40分という立地にあります。都市圏に近いわりに、京都にもこんな田舎が?と驚かれるくらい、豊かな自然と素朴な暮らしが残っています。京都や奈良での歴史学習と併せて、田舎体験が可能です。
民泊~家庭での茶文化・田舎体験~
やましろ地域の特産は、やっぱり宇治茶。受け入れ家庭は、すべてのご家庭が茶農家というわけではありませんが、親戚に茶農家がいたり、身近に茶畑が広がる地域です。
お茶といえばペットボトルという子どもたちも多くなってきた昨今、受け入れ家庭では、急須でお茶を淹(い)れて飲む時間を取り、茶畑を散策し、暮らしの中に息づく茶文化を感じていただきます。お茶を摘み、晩ご飯にみんなで茶葉の天ぷらを。畑のあるご家庭では収穫した野菜や山菜、地元の産品を使い共同調理します。収穫のほか、種植えなどの畑作業や、家業体験、薪(まき)割り、伝統的なものづくりや遊びなど、どの家庭も工夫を凝らし、子どもたちにとってよい思い出になるよう準備しています。
団体での茶文化体験
クラスなどで同じ体験を共有したい場合には、団体での体験プログラムのご用意もあります。茶畑景観をめぐりながらお茶や茶づくりについて学ぶ茶畑散策をはじめ、お茶摘み体験、茶工場見学や、煎茶のおいしい淹れ方体験、室町時代から歴史がある茶香服(お茶の飲みあてゲーム)など、楽しみながらお茶に親しみ、学んでいただけます。
300人までの受け入れが可能
受け入れ家庭のある和束町、笠置町、南山城村の3町村はいずれも、人口減少と少子高齢化に悩む地域。子どもたちとふれあい、交流を楽しみながら、そんな町に活気を取り戻すこと、歴史ある茶業や、茶が身近にある生活を守り伝えることを目的として事業を行っており、賛同した方々が受け入れ家庭になってくれています。
2014年度より海外の団体などから受け入れを始めて今年で6年目。登録家庭は3町村で120軒を超え、この春には、国内の中学校6校の受け入れを達成、インバウンドも入れると4月から7月までで26件、毎週のように受け入れできる態勢が整ってきました。これからも、農村民泊が皆さまとこの地域の架け橋になるよう、さらに内容を充実させていきます。
フライパンでほうじ茶作り