JTB総合研究所は、「SDGsに対する生活者の意識と旅行(2022)~スウェーデン、ドイツ、日本の3カ国比較~」の調査研究をまとめ、その結果を3月15日に発表した。ともに環境への意識が高く、「フライトシェイム(飛び恥)」運動の発端となったスウェーデン、国際観光支出額上位のドイツと日本との比較を行った。
最初に、SDGsの認知度、重要性の認識度、そして日常生活における行動の実践率について、スウェーデン、ドイツ、日本の3カ国で比較をした。日本は、認知度は低くはないものの、重要性の認識や、日常生活での意識的な行動は他の2カ国よりかなり低い結果となった。
日本でのSDGsの認知度は、スウェーデンに次いで高く、「詳しく知っている(11.2%)」「17のゴールは知っている(23.5%)」の合計は34.7%だった。一方、「知らない」は8.2%と3カ国中、最も低かった。
SDGsに対する重要性の認識度は、日本は「とても重要だと思う(21.0%)」「まあまあ重要だと思う(46.5%)」の合計が67.5%と最も低かった。
日常生活でのSDGsを意識した行動の実践について自己評価をしてもらったところ、日本は「常に意識して実践している(4.7%)」と「それなりに意識して実践している(30.4%)」の合計が35.1%と他国と比べて20ポイント程度低くなった。日本は一方で「まったく意識して実践していない」が20.5%と他国と比較すると大幅に高い結果だった。日本におけるSDGsは、スウェーデンやドイツと比べて知識としての理解は進んでいると思われるが、実際に意義を感じたり、意識して行動に移したりする人はまだ少ないと言える。
会員向け記事です。