ユーロモニターインターナショナルは18日、「新型コロナウイルスが中国の一般消費財およびサービス業界に及ぼす影響」を発表した。
当社(ユーロモニターインターナショナル)はこの度、現在世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの状況を受け、
『新型コロナウイルスが中国の一般消費財およびサービス業界に及ぼす影響』と題したレポートを発表しました。
本レポートでは、新型コロナウイルスの流行が、中国の小売業、食品・飲料、コンシューマーヘルス、エレクトロニクス・家電を
含む主要産業において、どのような影響をもたらすのか、マイナスの影響と成長機会について、解説しています。
【本レポートの概要】
小売業
- 世界のアパレル製品全体の56%を生産している中国では、生産の一時停止によってアパレル企業のサプライチェーン管理が課題となっています。
- 人々が家族と一緒に自宅でより多くの時間を過ごしていることから、より年齢が高い層の間にもオンラインショッピングの習慣が浸透していくものと見られ、これによりアパレルと美容業界が恩恵を受ける可能性は非常に高いです。中国の美容・パーソナルケア産業において、Eコマースはすでに最も大きな販売チャネルの一つであり、2019年、カラーコスメの小売売上高(金額)の38%を占めました。
食品・飲料
- 2019年、生鮮食品分野においては、Eコマースが小売売上高(金額)全体の6.3%を占めましたが、現在、隔離や外出制限などの政策が取られていることから、この数字は2020年には増加することが予想されます。
- 地方自治体は、免疫を高めるために乳製品を十分に摂取するよう助言をおこなっており、また、中国政府は、特に畜産物の流通を制限しないよう指示しています。
- 中国の消費者は、春節前に赤ワインや白酒(バイチュウ)を購入し、自宅にストックしておく習慣があるため、小売経由のアルコール飲料の売上は、外食経由のそれと比べると影響は少ないでしょう。
- 人同士の直接のやり取りが発生しない配達方法がますます求められています。たとえば、JD.comは無人航空機(UAV)を利用するなど、クリエイティブなアイディアがますます一般的にものになってきています。
コンシューマーヘルス
- 2020年初めに発表された中国新型コロナウイルス診療ガイドラインによれば、伝統的な中国の生薬を含むOTC医薬品が、ウイルスに対する治療において一定の効果を持つとされています。このことにより、レンギョウ、朝鮮人参、ドクダミ、板藍根(バンランコン)の需要が増加しています。
- SARSが流行した際、2002年から2004年にかけて衣料用抗菌剤の小売売上高(金額)は、年平均90%で伸長しました。今回の新型コロナウイルスの影響を考慮したシナリオにおいても、このような急激な需要増が予測されます。
エレクトロニクス・家電
- 2019年の中国のビデオゲーム市場規模は356億米ドルと推定されています。消費者が自宅でゲームをする時間が増えることから、ビデオゲームソフトの売上は2020年第1四半期に高い伸びを見せることが予想されます。Nintendo Switchのリングフィットアドベンチャーは、まだ正式に市場に出回っていないにもかかわらず、インターネットや口コミなどで情報が急速に広まっています。
- COVID-19は、高温と紫外線により抑制されるため、高温洗浄機能を搭載した洗濯機や食洗機、UVC殺菌機能を搭載したエアコン、高温の蒸気で生地を殺菌できるアイロンなどが、売上を伸ばすものと見られています。
本レポートはこちらから無料でダウンロード可能です(英語)。
この他にも、新型コロナウイルスが様々な業界に与える影響についての記事を当社ウェブサイトに掲載しておりますので、
よろしければ併せてご参照ください。(今後も随時アップデートしていく予定です。)