酒文化研究所は16日、アンケート調査「家飲みをおもしろくするコツ」の結果を発表した。
新型コロナウイルス感染予防のために行事やイベントが次々に中止され、レジャーや外食を控える方も多いようです。でも春はもう目の前。明るく元気に過ごすために、家飲みを存分に楽しみましょう。今回の「酒飲みのミカタ」は家飲みをおもしろくするアイデアを募集しました。
■2月以降、外飲みが減ったが45%
最初に2月以降の外飲みの増減を聞いたところ、「少し減った(23%)」と「とても減った(22%)」を合わせると45%にのぼりました。「もともと外では飲まない」が12%ありますから、外で飲む習慣のある方だけを見ると「減った」方が過半数です。
また、新型コロナウイルス感染予防のために、参加予定の行事が中止や延期になったものの有無を聞くと、「ある」という回答が79%ありました。大勢の人が集まるイベントやパーティが相次いでキャンセルされ、送迎会などの会食を見送るように指示する会社も見られます。レジャー施設やスポーツジムも営業を休止するところが目立ちます。東京都のように都立公園でのお花見宴会を自粛するように呼び掛ける自治体もあり、この春の飲酒シーンは例年とまったく異なるものになっています。
■ 家飲みをおもしろくするなら「季節のおつまみ」
在宅勤務や時差通勤する人も多く、仕事帰りにちょっと一杯もしにくくなっています。外飲みが減った分、増えるのは家飲みになりますが、せっかくの春ですから楽しい家飲みにしたいものです。そこでたくさんの選択肢をあげて、家飲みがおもしろくなると思うものに投票してもらいました(複数選択)。
●第1位:春らしい(季節を感じる)おつまみを用意する
トップは「春らしいおつまみを用意する」で46%にのぼりました。春は山菜、筍、シラス、サクラエビなど、この時期ならではの食材も多くあります。食卓に季節を感じる一皿が並ぶだけで気分が上がるという意見に共感する方も多いのではないでしょうか。
●第2位:いつもより贅沢なお酒を選ぶ
外で飲んだつもりになれば家飲みでの酒はワンランク上のものを選べます。ふだん自宅では新ジャンルを飲んでいる方も、冷やしたジョッキでビールにして外飲み気分を演出してみてはいかがですか。清酒やワインなどグレードだけでなく味わいの幅も広い酒なら、選ぶ楽しみも加わります。
●第3位:いつか飲もうととっておいたお酒を開けてみる
いただきものや旅先で買った、とっておきの酒を眠らせている方は多いことでしょう。思い切って封を切って、どんよりした気分を吹き飛ばしましょう。
●第4位:料理とお酒の相性にこれまで以上に気を配る
切りたての生ハムに熱めの燗酒を合わせる。ハムの脂のうまみが温かい燗酒で溶けだして、口の中でおいしさが増幅する
料理に合わせて酒を選ぶのはワインでは常識ですが、最近は清酒やクラフトビールでもしばしば言われるようになりました。餃子にビール、からあげにチューハイのようなシンプルなものから、A5ランクのビーフステーキにフルボディの赤ワインを合わせたり、青々しい香りのウドにフレッシュで軽快な生酒を持ってきたり、フルーツたっぷりのサラダに甘い香りの黒ビールを繋げたり、組み合わせた味を想像し実際に試して楽しんでみてください。
■春のおつまみ人気は「フキノトウの天ぷら」
家飲みをおもしろくするコツの第1位は「春らしいおつまみを用意する」でしたが、家飲みではどんなおつまみが人気なのでしょうか。春のおつまみをいろいろあげてひとつだけ選んでもらったところ、トップは「フキノトウの天ぷら」でした。その後は筍の煮物、サクラエビのかき揚げと続きます。
■晴れたら外、多彩なおつまみ、お気に入りの酒器で
そのほかお寄せいただいた「家飲みをおもしろくするコツ」をご紹介します。
・晴れた日に日当たりのよい所でのんびりと飲む(60代・男性)
・惣菜や冷食でも、ねぎや三つ葉などをトッピングしてお店風にすると楽しい(50代女性)
・つまみあっての酒なので、凝った、あるいは変わったつまみを揃えてそれで飲む。流行りのラム肉料理、普段は買わない外国産のサラミ、生ハム、缶詰など(50代男性)
・酒器に凝るのはとても家飲みを楽しくしますね。焼き物の猪口、ガラスの猪口、ワイングラス、コップ。酒の温度帯もいろいろ組み合わせるとかなり発見があります(50代男性)
・日本酒を1本用意してヒヤ〜日向燗〜飛び切り燗までを順々に楽しむ。最後にヒヤに戻ると味わいがまったく違っておもしろい(20代女性)
【調査概要】
調査時期:2020/2/6~2/10 調査方法:インターネットによる自記入式アンケート
サンプル数:116人(酒好きな方々)