「SDGsを意識した消費」の経験は約3割に
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(東京都品川区)と立教大学教授の斎藤明氏は、NTTコム オンラインが運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象として「SDGsを意識した消費活動」についての調査し、その結果を発表した。約半数が「SDGsへの好感」を有している一方で、実際に「SDGsを意識した消費(以下、「SDGs消費」)」の経験は、約3割にとどまった。また、好感度・SDGs消費経験いずれも、男性より女性の方が10ポイント以上高く、男女での意識の違いが顕著に示された。
男性より女性が10ポイント以上高い
SDGsの認知は、全体の46.6%(「ややそう思う(38.0%)」と「とてもそう思う(8.6%)」の計)で、認知している人のうち、82.5%が内容を理解していると回答した。
また、SDGsの説明を提示、改めて全員に読んでもらった後に、SDGsについて好感を持っているか尋ねたところ、全体の約半数(49.2%)がSDGsに対して好感を有している(「とてもそう思う」「ややそう思う」)との結果を示した。SDGsに対する好感度を性別で比較すると、男性では、43.1%、女性では55.3%で、男女間で10ポイント以上の違いが見られた=図1。
また、「SDGsを意識した活動は、よりよい未来を構築するために不可欠である」との考えに対し「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した割合が全体の約半数(51.2%)を占めた。これを性別で比較すると、男性では45.4%、女性では57.0%となっており、男女間で10ポイント以上の違いが見られた=図2。
実際にSDGsを意識した消費(SDGs消費)の経験は、27.8%(「とてもそう思う」「ややそう思う」の計)。これを性別で比較すると、男性では21.4%、女性では34.2%となっており、男女間で10ポイント以上の違いが見られた=図3。
また、年代別でみると、35~44歳、65歳以上でSDGs消費経験がやや高い=図4。
SDGsを意識した消費(SDGs消費)の経験がある人に、具体的な購入品目を確認したところ、「食料品(65.8%)」「日用品など(58.3%)」「衣料品(41.4%)」「電力(34.2%)」の順で回答が多かった。男女で購入品目に差がみられ、女性では「食料品」が高く、男性では「電力(再生可能エネルギーなど)」が46.2%と女性よりも10ポイント以上高い結果となった=図5。
SDGs消費における価格の増加についてどこまで負担できるのか調べるため、代表的な購入品目四つ(「食料品全般、日用品など、衣料品、電力)ごとに、「これ以上高いと『高すぎて買えない』と思う価格」について聞いたところ、いずれの品目でも、「通常商品より3割増し」との回答が最も多く、次いで「通常商品より5割増し」の順番となった。
年代でみると、18~25歳までの若年層では、「通常商品より5割増し」との回答が最も多く、SDGs消費での価格増に対して若年層では増加に対する許容度が高いことが分かる=図6、7、8、9。