10分で99.9%以上ウイルスを減少
1958年の創立から工業用特殊塗料などの各種塗料を開発、販売している塗料の総合商社、大川(東京都品川区)。コロナ禍を乗り切る製品として、塗料メーカーと共同開発した抗菌・抗ウイルスコーティング剤「VS(ブイエス)」の使用を喚起している。
「当社で扱っている一般的な抗菌剤は金属イオンを利用しているが、99%以上の抗菌効果の発揮に数時間要してしまい、頻繁に人が接触する箇所では感染予防にならない。しかし、第4級アンモニウム塩を主成分とするVSは、わずか10分で99.9%以上ウイルスを減少させるため、集客施設の感染予防に役立てられれば」と社長の大川洋介氏。
医療機関を皮切りに、空港、大手私鉄の駅構内、商店街などで広く導入され、今後は観光業界に販路を拡大する方針。
使い方は、ドアノブ、カウンター、洗面所、パーティションといった接触感染のリスクが高い箇所に、タオルなどにVSをスプレーし、染み込ませて、塗りムラがなくなるまで塗り伸ばすだけ。専門業者に作業を依頼することなく、誰でも簡単にプロ仕様の施工が可能。
塗膜をつくることで、コーティング面に付着した各種ウイルスのエンベロープ膜を破壊し、感染力を失わせるという。最長で3カ月間効果が継続するため、日々の消毒作業を省力化する。
昨年末に公的検査機関の日本繊維製品品質技術センターで実施した抗ウイルス性試験では、「新型コロナウイルスへの有効性が実証された」と大川氏。
さらに、VSに使用している抗菌・抗ウイルス剤はSIAA(抗菌製品技術協議会)が定める安全基準をクリアしている。
VS