前号で、現在話題となっているAI(人工知能)について述べた。今号では、前回の続きでテクノロジー企業の戦いと、AIが観光業界に及ぼす影響について考えてみたい。
まず、マイクロソフト(MS)がAIに対して巨額の投資をしたという件であるが、先日MSが「Microsoft 365 Copilot」という新製品の発表を行った。このプレゼン動画は必ず見ていただきたい。Copilot(副操縦士)として、AIを搭載したワード/エクセル/パワーポイント/メールといった、現代社会においておなじみの製品の数々がAIを駆使して、驚くべきパフォーマンスを発揮している。
例えば、パワーポイントで「○○に向けて××を紹介するためのスライドショーを作って」と入力し指示すると、AIが勝手にそれに適したスライドショーを複数ページにわたって一瞬で作成するというものであったり、エクセルで、ある数字の塊を「このデータの傾向と今後の予測を教えて」と入力指示すると、数字の羅列から読み取れる傾向と分析、ならびに予測までがグラフや表入りで示されるといったものであったりする。もちろん、まだ未販売の製品なのでどこまで本当に実装されるかということはあるものの、今後数カ月以内にリリースされるということでぜひ、触れてみてほしいと思う。
続いて、AI×観光業界であるが、これについてはさまざまなものに応用が利くと想定される。試しにCahtGPTに「AIと観光業が合わさるとどんなことができるの?」と聞いてみたところ「旅行プランニング」「言語翻訳」「観光資源の最適化」「VR/AR技術の活用」「ロボットガイド」「スマートホテル」「人工知能によるマーケティング」「データ収集と分析」「災害対策と安全管理」―と一瞬で九つものシナジー案を解説入りで提案してきた。どれも興味深く、親和性が高そうなジャンルであることがお分かりいただけると思う。
これからの時代、AIをMSが言うように副操縦士のように使いこなすことで生産性が劇的に上がることが期待されている。くどいようであるが、この流れはぜひキャッチアップし続けてほしい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)