前号でも新型コロナウイルスによる影響について述べたが、3月上旬時点では終息のめどは立たず、依然として大きな影響を与え続けている。その影響は日本全国に及んでおり、全国各地で非常に厳しい状況となっている。そこで、今号では、そのような中でも、できることを見つめ直し、一つ一つ実施できることを検討していただきたい。
まずは、情報配信である。「新型コロナウイルス対策について」ということで、自施設での取り組みをウェブ上で情報開示する施設が増えている。具体的には館内各所にアルコール消毒液を配置し、除菌に務めていることや接客スタッフや調理スタッフへの衛生管理の徹底化の宣言、マスクの着用など、完全に安全宣言することは難しいが、感染拡大防止への取り組みを開示することで、少しでもお客さまに安心感を持って来館いただけるように取り組むことが大事である。
続いて、政府や各自治体から矢継ぎ早に支援策が発表されているが、これらの情報をきちんとキャッチし、自施設に活用できるものがないかをチェックすることも大事だ。特に手元にキャッシュを保有しておくことに注意すべきである。
従って、市況が好転するまではローコスト運営に徹するべきであり、館が分かれている場合は、一方の館のみで運営する対策やフロア止めをして光熱費を落とすなど、一つ一つ経費削減の実施を検討してほしい。
また、このような状況下でもお越しいただいているお客さまに対し、最大限のおもてなしをすることも忘れてはならない。そのようなお客さまこそ今後リピーターとなり、大きな助けとなっていただける可能性がある。同時に顧客分析も行い、この状況下でもお越しいただいているお客さまの層こそが自施設にとって大切な層といえるので、アプローチ策を考える必要がある。
最後に、出口が見えず、日本全体を暗鬱(うつ)とした雰囲気が漂っており、軽はずみな発言はできないが、必ずどこかで反転の時が来ることは間違いない。その時まで全社員で一丸となって持ちこたえ、来たる反転の時に一気に攻勢を仕掛けられるように準備を進めておくことが大事である。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)