戦国の歴史感じる温泉宿
第689回よその旅館ホテル
──宿の1番の売りは何ですか。
「温泉の良さです。小谷城主だった戦国武将の浅井長政や、その妻、お市の方も湯治に通ったといわれる歴史ある温泉です。源泉は無色なのですが、鉄を多く含むヒドロ炭酸鉄泉という泉質で、空気に触れると赤くなります。体がよく温まるお湯で、冬の時期には胃腸が弱い人や神経痛のある人が、地元だけでなく遠方からも通ってこられます」
「料理にも力を入れており、素材を生かした懐石料理を提供しています。地元の近江牛をたっぷり召し上がっていただけるすき焼きやしゃぶしゃぶのほか、秋、冬は、地場のカモやイノシシを使った鍋も楽しんでいただいています。お客さまからは、『こんな山奥でおいしいものが食べられるとは思わなかった』とのおほめの声もいただきました」
──客層は。
「6、7割がシニア層ですが、戦国武将ブームもあって若い女性の1人客も目立つようになりました。また約40年前の創業時から1階の客室をペットと泊まれる部屋としているので、ペット連れのお客さまには根強いリピーターになっていただいています」
──小谷城跡や姉川の古戦場など近隣に史跡が多い場所ですね。
「須賀谷は豊臣秀吉に仕えた武将、片桐且元の生地ですし、周辺には飛鳥時代から守られてきた様々な観音像も残っています。大河ドラマ放映などをきっかけに環境整備も進みましたので、たくさんある『いいもの』を多くの人にもっと知ってほしいです。そして、私たちは地道なことしかできませんが、この温泉を含む地元の文化を、地域の皆さんと一緒になって守っていきたいですね」
【19室、1泊2食1万6950円から】