かけ流し、飲泉の宿
第557回よその旅館ホテル
──宿の特徴は。
「伊豆長岡駅から徒歩2分という好立地ですが、静かでくつろげる温泉宿です。かけ流しの温泉が心ゆくまで堪能できます。泉質は無色透明のアルカリ性単純泉で飲用の許可も得ています。浴槽は屋号の菊にちなみ、菊の花をかたどっています。山海の幸に恵まれた土地ですので、季節の料理も楽しんでいただけます」
──女性用エステルームがありますね。
「長女がエステシャンなので2年ほど前に開設しました。フェイスエステを中心に女性客にとても好評です。年配の女性が興味を持って体験されますし、エステ用の宿泊プランもPRしています。女性層の集客に生かしていきたいと考えています」
──創業は。
「昭和24年です。私が2代目になります。昭和33年の狩野川台風では施設に大きな被害を受けましたが、その後は本館、別館と施設を充実させました。創業当時の木造の玄関はとても雰囲気がありましたが、老朽化のために平成5年に取り壊し、現在の新館の姿になっています」
──客層は。
「古くからの常連のお客さまが多かったのですが、そうしたお客さまもだいぶお年をめされています。小さな宿ですから個人客やグループ客、家族客が中心です。関東のほか、愛知、長野あたりからもおみえになります。最近はインターネットの宿泊予約が増えていて、どのように情報を発信するのか、工夫が必要ですね」
──経営の課題は。
「やはり施設改修の資金繰りが悩みどころです。地域の宿も後継者不足などで廃業したところが多く、難しい時代になりました」
【和室15室、収容80人、1泊2食1万1550円から】