欧米客も集まる和風宿
第556回よその旅館ホテル
──和風のエントランスが印象的ですね。
「釘を使わない『数寄屋工法』を使って01年に改装し、落ち着いた雰囲気にしました。毎日3、4人外国客が宿泊しますが非常に好評で、多くの方が写真に収めていかれます」
──外国客の集客が順調なようですね。
「フランスのガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』に掲載されたからでしょう。フランスの方はじめ、ドイツ、イタリアなど、ほとんどがヨーロッパの方です。皆さん平日にチェックインして最低3日は滞在します。JRのイーストパスをうまく使って、松島や平泉、山寺などを回っているようです」
──国内からは。
「北関東あたりの方が多いです。予約は、楽天、じゃらんが5割、その他ネットが4割、電話1割です。リピーターはビジネス客の方は7割ほどですが、観光の方は2割ほど。最近はいろいろなところに泊まりたい方が増えているからではないでしょうか。また仙台では唯一ペットホテルを併設しているので、ペットと旅行したい方の問い合わせが多いです」
──プランのバリエーションが豊かですね。
「素泊まり3990円からありますが、一番人気は仙台名物の牛タンが食べられるプランです。老舗牛タン専門店『喜助』と提携し、同店が仕込んだそのままの味を宿の食事処で出しています。市内の牛タン店は休日になると1時間待ちが当たり前ですので、大変好評です。3、4割の方がこのプランです」
──課題は。
「契約農家の減農薬有機米を出すなど工夫を凝らし『お客さまに愛される宿』づくりを心がけていますが、低価格競争からなかなか料金を上げられないことでしょうか」
【14室】