寅さんが泊まった宿
第715回よその旅館ホテル
──どんな温泉ですか。
「塩泉で、神経痛や肩こりなどに効きます。大浴場はないのですが、交代でご家族などで入っていただく浴場があります」
──料理は。
「魚介類と野菜を中心にした懐石料理です。近海のタイ、ノドグロ、アマダイ、宍道湖のシジミなど。野菜は季節のもので、これからはワラビやタケノコ。ボウフという、砂浜で採れるこの地ならではのものもあります。天ぷらや酢の物でお出しします」
──どんなお客さんが多いですか。
「定年を迎えたご夫婦など、熟年のお客さまが多いです。開業およそ100年で、昔の雰囲気が残っている宿ですから、若者よりも中高年の方に喜ばれるかもしれません。温泉津温泉全体がそのような雰囲気です」
「寅さんシリーズ(映画・男はつらいよ)のロケ地になり、うちでは渥美清さんが泊まった宿として宣伝しています。柴又の寅さん記念館の売店にうちの名刺を置いています」
──サービスで心掛けていることは。
「家族的な雰囲気をモットーに、おもてなしの心を大切にしています」
──入り込み状況はどうですか。
「石見銀山の近くにあり、世界遺産になった当時はよく入りましたが、今はぼちぼちといったところです」
──今後の展望は。
「宿1軒でというよりも、温泉地の10数軒みんなで地域を盛り上げたいと思っています。旅館街の神社で毎週土曜の夜に石見神楽を上演しています。これからも行政を巻き込んで、お客さまを呼び込むためにいろいろやっていきたいです」
──1泊2食の料金は。
「税込みで1万1200円からです」
【9室、約20人収容】