名物の「地獄釜会席」
第628回よその旅館ホテル
──「地獄釜会席」という名物料理があるそうですね。
「エビ、カニ、サザエなどの魚介類を地獄(温泉)の蒸気で蒸したものや、前菜、小鉢、季節の野菜、焼物などが付いています。素材によって料金が異なり、上の方になると豊後牛のロースが付きます。うちの敷地で高温の温泉がわいています。中庭にある釜で温泉の蒸気を利用して蒸し料理を作ります。栄養分が流れず、おいしいと評判です」
──温泉の成分は。
「ナトリウム塩化物泉です。源泉かけ流しで使っています。とても温まるお湯で、入った人は朝まで体がポカポカになっているといいます。冷え性や神経痛、ストレス解消にも効きます」「温泉の蒸気は料理のほか、冬の暖房と掘りごたつにも使っています。温泉に恵まれていて本当に助かっています」
──サービスで心掛けていることは。
「心やすらぎ、気楽にお過ごしいただけるようにと努めています。湯治で来る方も多く、自炊の設備も備えています」
──経営で苦労されていることは。
「今が一番厳しい時で、大変苦労しています。震災の影響で皆さん自粛されているようです。こんなに厳しいのはオイルショックと、リーマンショック以来ですね」
──予約はどんなふうに。
「電話で承っています。ホームページもありますが、即答できますので、電話がいいですね」
──1泊2食の料金は。
「平日1万円からで、地獄釜会席が付くと1万3千円からです。連泊ですと、2泊目は朝食のみで夕食を街で召し上がっていただくなど、ご予算に応じて対応しています」
【12室、28人収容】