創業100年、歴史ある温泉宿
第1013回よその旅館ホテル
――「静かな保養に適した温泉宿」とあります。
「湯川温泉は昔からの湯治場で、開湯が永正年間(1504~1521年)といわれています。湯脈が浅く、近くを流れる川(小鬼ヶ瀬川=こにがせがわ)に湧き出る湯をお風呂にしていたという話もあります。旅館が建ち始めたのが明治、大正のころで、当館は大正10年の創業。来年100周年を迎えます」
「温泉は低張性弱アルカリ高温泉。肌に優しい美肌の湯で知られるほか、傷口が早くふさがる、アトピーに効く、体がいつまでもポカポカするなどといわれます。男女それぞれの内湯のほか、あまり売りにはしていないのですが、昔の湯治場時代からの混浴が残っています」
――料理はどんなものを。
「アユなど川魚の焼き物や山菜の煮付けなど、地元のものが多いです。時々の仕入れや季節によって、オリジナリティあふれるものをお出しします」
――どんなお客さんが多いですか。
「秋田との県境近くにあり、県内や近県からのお客さまが多いですが、連休や行楽シーズンは遠くからもお越しいただいています。予約はネットが半分以上。外国の方は月に何人か来られるようになりました。アジアの人はなぜか少ないです。この前はポーランドとメキシコの方がお見えになりました」
――これからどんな宿に。
「最近、大正ロマンをイメージした部屋を作りました。創業が大正時代ですので、原点に返るという思いもありました。料理やサービスもそちら風にシフトするなど、現在模索中です」
――料金は。
「1泊2食で税別8千円からです」
【12室、約50人収容】
湯川温泉 新清館 | 山間を流れる小鬼ヶ瀬川沿いに佇む温泉宿。