「豊穣の島」の天然温泉
第798回よその旅館ホテル
──宿の自慢は。
「豊穣の島と言われる壱岐の恵みをふんだんに使った料理と天然温泉です。玄界灘では今の季節、ブリや高級魚のクエが獲れます。タイは年間を通してご提供しています。板長である父は自ら船を出してイカを釣ったり、天然の鴨を捕ってきます。貴重な和蜂を使った蜂みつなども作っています。野菜はすべて女将が作る無農薬野菜。食材はほとんど家族で手作りしており、自慢の料理を求めて関西や関東からもお客さまが来られます」
──タイを使った島茶漬けがJALの国際線ファーストクラスのメニューに3年連続で採用されています。
「賄いで食べていた刺身の端を使った茶漬けですが、お客さまに出したり、土産として販売しているうちに評判となり採用されました。女将が厳選した天然タイの素材の良さを分かっていただけたのだと思います」
──湯ノ本温泉は5世紀に神巧皇后によって発見されたと伝説が残っています。
「1500年以上の歴史を誇る日本屈指の古湯です。自噴69度の鉄分を含んだ食塩泉は体が芯から温まり、疲れを癒やしてくれます。昔は対馬の湯治場でした」
──若女将の真希子さんは半年前に壱岐に嫁いでこられました。
「以前は群馬県みなかみ町の観光協会で働いていました。海のない県から海に囲まれた島に来ました(笑い)。壱岐の海は透明度が高くとても綺麗。海水浴場としても人気です。小さな島ですが神社庁に登録されているだけで150も神社があり、古墳は約260もあります。壱岐は神話の世界や古い歴史、文化をたどることができる魅力的な島です」
【8室。1泊2食付き、1万4190円(税込み)から】