朝食時に「温泉粥」
第615回よその旅館ホテル
──場所はどのへんでしょう。
「白骨温泉の渓谷、湯川と湯沢の合流点にあり、私設の吊り橋を渡って入ります。橋は約40メートルで、湯川からの高さは8メートルほどです。乗用車も渡れる木の吊り橋は珍しいと思います」
──白骨は泉質の良さが有名ですね。
「重炭酸を主成分とする硫化水素泉で、胃腸に特効があるほか、飲用しても効果があり消化器系に効きます。自然治癒力を高め、血流がよくなるためか、『いつまでもポカポカしている』とよく言われます」
「08年12月に3つの貸切露天風呂を作りました。無料で、体調さえ悪くなければ24時間いつでも入浴できます(笑)。人の手を加えないのが温泉だと思っていますので、『自然のままを自然に』をモットーにしています。木製の湯船に温泉成分(炭酸カルシウム)がたい積した、石作りのような内湯も自慢の1つです」
──料理はいかがですか。
「温泉周辺で採れた山菜など山の幸を使い、昔ながらのやり方を基本としてお出ししています。特に、朝食時に出す温泉粥は好評ですね。温泉をそのまま飲むと非常に複雑な味がしますが、お粥にすると、『そのお湯で炊いたの』というぐらいまろやかな味になります」
──客層は。
「万遍なく来ていただいています。リピーターも多く、半分以上の方がリピーターで占められていることもあります。新規客がほしいのですが(笑)」
──心がけていることは。
「豊かな自然と質のよい温泉で、心身ともにリセットしていただければいいですね」
【客室16室、1泊2食付き1万5900円から】