海望む砂風呂の宿
第744回よその旅館ホテル
──京都で砂風呂とは珍しいですね。
「当館の売りの一つで、府下では唯一だと思います。別館を作った際に、差別化のために開設しました。元々丹後ちりめんの商売のために各地を歩いていた私の父が、九州の指宿で砂風呂に出会ったことが導入のきっかけです。波の音を聞きながらゆったりと過ごしていただけます」
──宿から見る夕日が美しいそうですね。
「夕日が望める部屋が自慢です。どの部屋からも、夕日百選に選ばれた夕日ヶ浦海岸の幻想的な風景を楽しんでいただけますよ」
──料理にもこだわっているとか。
「もちろん売りの一つです。これからの季節はやはり松葉カニ。毎年カニのフルコースを用意しています。中でも他ではなかなか出していない、活カニの生みそはぜひ食べてみてほしいですね」
「お米にもこだわっています。お出ししているのはすべて、自家栽培の『丹後コシヒカリ』です。ズワイガニのカニ殻を混ぜ込んだ有機肥料を使ってていねいに育てたもので、販売もしております」
──客層は。
「夏は家族連れ、冬はカニ目当てのお客さま中心です。砂風呂目当ての女性客も多いですね。女性や子育て世代を意識して、ブログなどで女性目線での情報発信を心がけているのも一因かもしれません。リピーターは5割です。近年は自社サイト、ネットエージェント経由の新規の予約が増えています」
──課題は。
「地域の人と連携して地域の特色を出していく必要があると考えています。来年から順次、舞鶴道、京都縦貫道の未開通部分が開通する予定です。開通までにやれることはまだまだあると思っています」
【17室、1泊2食2万300円から】