地域の間伐材を活用
第572回よその旅館ホテル
──間伐材を使ったボイラーの利用が環境保全の取り組みとして評価されていますね。
「森林資源を生かそうと、林野庁の補助事業などを導入して乾燥技術を研究し、試行錯誤しながらボイラーを改良しました。小さな丸太のまま利用できるのが特徴で、昨年2月に本格稼働しました。地域の間伐材の活用、温暖化防止、コスト削減につながります」
──山里の一軒宿だそうですが、開業は。
「1988年です。瀬戸大橋の開業や周辺道路のトンネル開通という環境の変化もありましたが、林業にかかわる仕事をし、町会議員もしていた父には地域活性化への思いがあって、過疎化が進んでいく地域に県外からお客さまを呼びたいと宿を開業しました」
──本館の他に、露天風呂付きのコテージもありますね。
「10棟のコテージを山の斜面を利用して配置しています。バーベキューができる設備もあって、鴨やキジ、イノシシなどが味わえる山賊バーベキューが喜ばれます。ペットと同宿できる専用コテージもあります」
──食材も地場産ですか。
「コメはすべて自家栽培です。野菜もつくっていますし、その他の食材も地域でとれるものを使っています。囲炉裏料理や懐石料理などでお出しします」
──客層は。
「四国内と関西圏が多いのですが、ホームページに力を入れるようになってからは中部、関東からも増えています。山里で遠いイメージがあるようですが、高松空港からは車で20分です。家族客も多いですし、コテージはカップルに人気です。ホタル狩りや川遊びなど自然を楽しむ方、四国観光に出られる方が多いですね」
【24室、1泊2食1万3800円から】