昔ながらの混浴の宿
第566回よその旅館ホテル
──一番の売りは
「飲泉もできる新鮮なかけ流しの湯です。昔から草津の上がり湯と言われ、利用者からも肌にやさしく温まると評判です。殺菌力のあるお湯ながら弱アルカリ性なので低刺激。手術後の傷跡やアトピー、赤ちゃんのあせもなどに効きます」
「大浴場は混浴で桧張り。昔の湯治場の雰囲気を残そうと張り替えなど手入れをしながら守っています。女性には専用時間や専用風呂も設けています」
──立地は。
「温泉街というのではなく、山の中の静かな旅館で最寄のJR中之条駅からバスで25分のところにあります。創業は江戸時代の初め頃と聞いています」
──湯治客も多い。
「秘湯を守る会の会員でもあるので、スタンプラリー形式で廻られている方も多いです」
──接客モットーは。
「親切にすること、気持ちよく過ごしてもらうことです」
──不景気の影響は。
「昨年あたりからお客さまが減少したと感じていますが、やはりリピーターの方はいつも顔を見せてくれ大切さを改めて感じます」
──人気の料理は。
「冬場は吾妻で採れるイノシシをみそ仕立ての鍋にしており好評です。湯治で滞在される方にはカロリーを抑えたメニューを出しています」
──経営の課題と今後の展望は。
「課題は建物の老朽化です。コスト面などの問題はありますが、今後は湯治場の雰囲気を残しながら、手頃な料金で気軽に泊まれる旅館にしたいです。肩が凝ったら温泉に行って解消するような、健康維持のため温泉に行くというリズムを作ってもらえるようにしたいですね」
【収容人数50人、客室18。1泊2食の料金は2人1部屋利用の場合8400円から】