海山の幸で手作り料理
第772回よその旅館ホテル
──料理はどんなものを。
「七尾湾で獲れる新鮮な魚介類を提供しています。七尾独自のものは赤西貝。甘味があり、身が小粒で食べやすく、『赤いダイヤモンド』と呼ばれています」
「フグ料理を売り出し中です。能登はフグの水揚げ量が日本一にもかかわらず、今まで地元ではあまり消費していませんでした。新たなレシピも開発しているところです」
──宿のセールスポイントは。
「やはり料理です。海にも山にも近いので農産物も豊か。太キュウリと能登豚の組み合わせはお勧めです。お酒も含めて、能登、加賀以外の素材は使わず、手作り料理でおもてなしをしています」
──経営の課題はありますか。
「どこの宿でも同じでしょうが、後継者の問題。施設が老朽化しているので、どう手直しするかも課題です」
──七尾は「花嫁のれん」の風習で注目されています。
「『花嫁のれん館』の開設によって、『花嫁のれん展』が開催される4月だけに限らず、旅行客が増えています。当館でも花嫁のれんにまつわる料理が何かできないかと試行錯誤しています」
──来年春に北陸新幹線が開業します。
「お客さまがどっと増えると期待しています。しかし、交通の利便性だけに頼るのでは一過性で終わってしまいます。『来て良かった』と思われるように努力していくことが大切だと考えています」
──地域の入り込み状況はどうでしょう。
「昨年は一昨年よりも増えましたが、今年は減っています。新幹線開業の前年は減る傾向にあると聞いていましたが、その通りになっています」
【15室、1泊2食付き平日8千円(税別)から】