国土交通省は20日、今年度の都市景観大賞「美しいまちなみ賞」を発表した。NPOなどのまちづくり組織と地方公共団体が協力して取り組んだ優れた景観づくりの事例を選定。大賞には、村上市旧町人町・旧武家町地区(新潟県)、南小国町黒川温泉地区(熊本県)の2地区を選んだ。
景観づくりの普及啓発事業として2001年度からスタート。都市計画協会などの関係団体で組織する「都市景観の日」実行委員会が主催、国交省が後援している。今年度の審査委員長は、中村良夫・東京工業大学名誉教授が務めた。
村上市旧町人町・旧武家町地区には、伝統的な町家370棟、武家屋敷11棟が建ち並び、城下町の美しい面影が色濃く残っている。市民運動を中心とした町屋の再生と黒塀の景観づくりが高く評価された。古材バンクの設置によるコスト削減を実現した再生活動も注目されている。
南小国町黒川温泉地区は、温泉地として古くから守られてきた景観と自然環境を生かした里づくりを実践。乱立する看板の撤去、建造物の統一化など、住民、行政一体の景観づくりが評価を集めた。
表彰式は6月2日に東京都内で開催される「日本の景観を良くする国民運動推進会議」全国大会の中で行われる。
大賞以外の各賞は次の通り。
◎優秀賞
長野市ぱてぃお大門蔵楽庭地区(長野県)▽島田市中央第三地区(静岡県)▽伊丹市伊丹酒蔵通り地区(兵庫県)▽鳥取市夢街道・鹿野往来城下町地区(鳥取県)▽八女市八女福島地区(福岡県)
◎特別賞
横浜市帷子川親水緑道地区(神奈川県)