リクルートはこのほど、国内の宿泊旅行の実態を探った「じゃらん宿泊旅行調査2008」の結果を発表した。昨年度(07年4月〜08年3月)の延べ宿泊旅行者数、延べ宿泊数は、いずれも前年度からわずかに増えた。1年間に宿泊旅行を行った人の割合を示す宿泊旅行実施率は2年連続で減少したが、実施した人の旅行回数が伸びた。旅行形態では近年、子連れの家族旅行が減少傾向にある。
今年で4回目を迎えたリクルートのじゃらんリサーチセンターによる調査。出張、帰省、修学旅行などを除いた観光目的の宿泊旅行の動向を調べている。全国の20〜79歳の男女が対象で、今回調査は約1万4千人の回答を集計した。
延べ宿泊旅行者数は0.9%増の約1億7500万人、延べ宿泊数は1.0%増の約2億9600万泊となり、ともに前年度からやや増加した。宿泊旅行実施率は0.9ポイント減の63.8%とダウンしたが、実施者の年間平均旅行回数が2.77回から2.83回に増加したため、延べ旅行者数、延べ泊数が微増となった。実施者の旅行1回当たりの平均宿泊数は1.69泊だった。
延べ宿泊旅行者数を年代別の構成比でみると、50歳以上が1.0ポイント減の53.3%。35〜49歳は1.7ポイント増の22.9%。20〜34歳の構成比は23.8%で前年度から0.7ポイント減少した。
宿泊旅行の形態では、子連れ家族旅行の構成比が、前年度比0.2ポイント減の16.1%、3年前と比べると2.8ポイント減となり、減少傾向が続いている。その一方で1人旅は12.0%を占め、3年前から1.5ポイント増と増加傾向にある。
子連れ旅行の減少について、じゃらんリサーチセンターの石榑智晃研究員は「身近なレジャーやテレビゲームなどの影響を受けているとも考えられる。子ども時代に旅行を楽しむ意識が育たないと将来の動向にも影響する。家族旅行をいかに活性化させるかが、宿泊旅行の重要な課題だ」と指摘している。
また、宿泊旅行の宿泊料金タイプの構成比は、1泊2食付きが0.5ポイント減の56.0%だった。主流ではあるが、2年前と比べると1.8ポイント減となった。これに対して、1泊朝食付きは26.9%で2年前と比べて1.5ポイント増、素泊まりも15.7%で2年前より0.6ポイント増えており、1泊2食付き以外の料金タイプが微増傾向にあることがうかがえる。