国土交通省は10日、今年度の「まちめぐりナビプロジェクト(まちナビ)」事業で行う実証実験の支援地域を発表した。公募による選定の結果、岳温泉地区(福島県二本松市)など全国から31地域を採択。まちナビ事業の目的は、情報提供の高度化により観光客の移動を支援する先進事例づくり。31地域は、携帯電話やカーナビゲーションシステムを活用した観光情報の発信などに取り組む。
事業内容の一部を挙げると、岳温泉地区では、観光協会が実施主体。携帯電話のQRコード読み取り機能を使い、各種の観光地情報を提供するほか、地域SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を立ち上げ、事業者と観光客が双方向で情報交換できるデータベースを構築する。
大分県宇佐市安心院をはじめ大分、熊本両県の3地域では、「Gazoo muraプロジェクト協議会」を主体に、既存の媒体では情報量が少ない農家民宿やツーリズム体験施設などをカーナビ上で検索できるシステムを整備する。
福島県会津若松市では、日本風景街道「城下町あいづ道草街道」推進協議会を主体に、GPS対応の携帯端末を貸し出し、位置情報と動画による視覚的な案内情報を提供するシステムを構築。さらに会津弁、英語、韓国語、中国語の4種で観光情報を提供していく。