コンサルタントのリョケンはこのほど、四半期ごとに行っている旅館対象の「短期観測アンケート」の、4月実施分の結果を公表した。それによると、今年冬(1~3月)の客数実績は「増加」とする施設が41.7%となり、前年同期の24.0%を大きく上回った。リョケンでは「全体的な傾向として、お客の動きが活発化してきているようだ」とみている。
調査は4月8~23日、全国の旅館・ホテル682軒を対象に実施した。回答数は127軒で、回答率18.6%。
今年1~3月の客数傾向は「増加傾向」41.7%、「横ばい傾向」28.3%、「減少傾向」29.9%。前年同期の調査に比べ、「増加傾向」が17.7ポイント増加したほか、「横ばい傾向」が4.8ポイント減少。「減少傾向」は13.1ポイントの大幅減となった。
地域全体の客数傾向でも、「増加傾向」が前年の9.3%から21.9%へ大きく上昇。「減少傾向」は前年の50.5%から33.3%へ大きく低下した。
客数の増加は、東北・上越地区では前年に豪雪による大幅な客数減があったため、結果的に前年比較はプラスになっていることと、今年は雪が少なかったため客の交通面での障害がなかったことが客数増加の要因である、との回答がみられた。
半面、スキー客の多い地域での雪不足や、能登地区の地震、ノロウイルス騒動など、不可抗力による影響を受けた旅館もあった。
同時期の総宿泊単価は、「上昇傾向」35.4%、「横ばい傾向」52.0%、「下降傾向」12.6%。前年同期に比べ、「上昇傾向」が18.9ポイント増加。「横ばい傾向」「下降傾向」がそれぞれ4.2ポイント、14.7ポイント低下した。客数に加え、宿泊単価でも増加傾向がみられる。
春の見込みは増・減・横ばい三等分
リョケンは今回調査で、春(4~6月)の客数見込みも聞いた。それによると、自館の客数は増加見込みが31.5%、横ばい見込みが31.5%、減少見込みが37.0%だった。増加、横ばい、減少がほぼ三等分となっている。
4月の統一地方選挙の影響から客の動きが鈍かったり、温暖な気候により桜など花目的の客の動きが早く引けてしまう、などの声があり、5~6月の対策に重点を置くとする旅館・ホテルが多くあった。