日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)は6日、東京都内の小学校で”出張授業”を行った。授業を受けた児童は「自分ももっと旅行をしてみたいと思った」と笑顔でこたえていた。TIJはこうした「旅育」に力を入れ、旅の楽しさ、ツーリズム産業の持つ魅力を知ってもらう計画だ。
この小学校は豊島区立高松小(永瀬隆行校長)で、当日は5年生2クラス(68人)の児童と保護者ら約20人が参加した。講師はJTB能力開発の神田博之さん。長年旅行会社の添乗員を務めた経験から、旅行者とのかかわりや旅の楽しさなどを写真を使って講義。
神田さんは約20年前に添乗した「ヨーロッパアルプス山歩きツアー」での少女と親とのかかわりについて話した。反抗期だった少女は旅を通してあいさつができるようになり、見違えるように明るくなったという。「モノ(物)より、体験や思い出であるコト(事)が大切。旅は人の視野を広げ成長を助けるのです」と児童らに優しく語りかけた。
保護者の1人は「分かりやすく楽しい内容で、勉強だけでなく、旅行を手段として世界の国々のことを学べることがよく分かった」という。永瀬校長も「一流の講師の話はまさしく生きた教材。これからも児童らの心に残る授業を行っていきたい」と話した。
TIJは今後も試験的に同様の授業を行う。児童や教師に対してアンケート調査し、分析・検証した上で、08年度から本格的に旅育を実施したい考えだ。
熱心に聴き入る児童