NPOシニアマイスターネットワーク(=SMN、作古貞義理事長)は3月26日、シンポジウム「ホテル産業における職業能力評価制度の課題」を東京都文京区の文京シビックセンターで開いた。
SMNが厚生労働省からの受託事業として開発した「ホテル業・職業能力評価制度」の完成報告会を行った後、松尾義弘・中央職業能力開発協会次長(写真右から2人目)、江口恒明・観光経済新聞社社長(中央右)、安島博幸・日本観光研究学会会長(=立教大学教授・中央左)、太田進・オータパブリケイションズ社長(左端)のパネリスト4人が登壇。作古理事長(写真右端)をコーディネータに意見を交わした。
「これまでの(ホテル業界の)人事評価はややもすれば客観性を失いがちだった。一定の基準の完成は業界の発展につながるだろう」(太田氏)、「(SMNが編集したホテル産業職業能力評価検定試験用の)テキストを拝見したが、大変きめ細かくできている」(安島氏)、「旅館業における職業能力評価制度についても作古理事長と検討を始めているが、旅館業は一般に家業的色彩が強く、評価基準の構築はホテル業界より難しい」(江口氏)、「職業能力評価制度の普及には、ホテル業でも旅館業でも、まず経営者レベルに必要性を理解してもらうことが欠かせない」(太田・江口両氏)などの意見が出た。
厚生労働省と中央職業能力開発協会(JAVADA)は、英国のNVQ(国家職業能力評価制度)を範にとり、日本版職業能力評価制度の策定に02年から着手。現在までに42業種・202職種の評価基準をつくった。今回、厚労省・JAVADAが開示した基本的基準を、SMNがホテル業において有効に生かせるようにカスタマイズした。SMNは、職能評価検定試験と研修用テキストも開発。テキスト執筆陣には江口英一・観光経済新聞社企画推進部長も名を連ねている。