共栄大学(埼玉県春日部市、山田和利学長)は4月から新たに国際経営学部観光ビジネスコースで、実践型授業「ワールドラン」を始める。講師派遣や、学生が企画、運営するマカオでの結婚式とツアーにかかわる仕入、手配業務などで、近畿日本ツーリスト(KNT)の全面的な協力を受ける、産学連携の取り組み。KNTの協力を受けることでビジネス体験ができる実践的な授業を実現し、実社会で役立つ能力を持った学生の育成を進めたい考えだ。
共栄大は、実社会で生きる基礎能力や問題解決力を持つ人材育成を実現するため、産学連携による授業「リアルビジネス(RB)型授業」の構築を進めており、これまでもプロ野球球団「埼玉西武ライオンズ」と連携して、観戦ツアーの企画、運営などを行う実践型授業を展開している。
ワールドランは、共栄大国際経営学部観光ビジネスコースの新しいRB型授業として今年度から新たに始めるもの。中国・マカオの大型ホテル「ザ・ヴェネチアン・マカオ・リゾートホテル」での日本人マーケット向け婚礼パッケージとマカオツアーの構築を目指し、デスティネーションや婚礼について学ぶほか、婚礼とツアーの2グループに分かれて企画や個別業務の研修を行う。婚礼、ツアー企画について実際のビジネスを肌で感じるために、実際に挙式するカップルを1組募集し、打ち合わせからマカオでの挙式までの業務を授業の一環として行う。
3月31日にKNT本社で会見した山田学長は「今の時代は机上での学びでは得られない『社会学力』を備えた人材の育成が求められており、そのためのRB型授業だ。ワールドランの開始にあたり、KNTは本学の教育理念に強く共鳴し、全面的な協力を申し出てくれた」と話し、KNTの人材やノウハウを生かした産学連携教育への意欲を示した。
ワールドランは今年4〜9月に全15回、4単位の授業として実施。挙式は9月12〜15日の期間に行う。
同大学では来年以降もワールドランを開講、来年度はマカオを舞台に行う予定だが、「模擬挙式の国内での実施や、国内デスティネーションをテーマとした授業もありうる」(山田学長)という。
固い握手を交わす、山田学長(左)と田ヶ原聡・KNT執行役員団体旅行事業本部カンパニー長