近畿日本ツーリスト(KNT)は5月27日に開いた取締役会で、本社規模の最適化と本社機能の効率化を図る目的で本社ビルと土地を売却することを決めた。譲渡金額は32億円。6月中に譲渡契約を結び、今年12月末までに譲渡する予定。譲渡後2012年3月末まではKNTが賃借する形で同ビルを利用する。
売却するのは、東京都千代田区神田松永町にある「東京近鉄ビル」の土地と建物で、帳簿価格は23億5千万円。同社は1965年に本社を大阪から東京に移して以来、長年にわたり同地を本社所在地としてきた。
電子部品事業、情報機器事業などを展開する加賀電子(東京都千代田区、塚本外茂久社長)に売却する。加賀電子は取得した土地に同社の新本社ビルを建設する予定。
土地と本社ビルの売却により、KNTでは連結、個別ともに約7億5千万円の固定資産売却益を特別利益に計上予定。特別利益計上は2月発表の10年12月期の業績予想に織り込み済みのため、業績予想の修正はない。