近畿日本ツーリストグループ(KNTグループ)は3日、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大槌町で社員ボランティア活動を行った。関東地区を中心に全国から集まった105人は、近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(近旅連)加盟の浪板観光ホテルなどでがれき撤去や清掃活動などを行った。
東北への復興支援の1つとして企画。「10日程度で目標を超える社員から参加希望があった」と今回の活動を取りまとめた仲章弘KNTブランド戦略室CS推進部長。市井正之KNT常務を団長に、関東以西から集まった77人のほか、東北から18人、近旅連岩手支部から10人が参加。大槌町ボランティアセンターの協力の下、浪板観光ホテル、浪板海岸、吉里吉里地区の3カ所に分かれ午前9時から午後3時ごろまで活動し、最後に菊池剛志KNTツーリスト社長が、被災地で要望が強い、菓子類や塩、コショウなどの支援物資を贈呈した。
3カ所のうち浪板海岸に建つ浪板観光ホテルは、津波の直撃を受け大きな被害を受けたが、私有地のため未だがれき撤去が進んでいない状況。社員らは津波に浸かった畳の搬出やヘドロのかき出しなどを行った。
仲部長は、「現地は、未だにクルマが建物の2階に乗ったままなど1人ではどうにもならない状況。そういう中で数の力があれば少しでも復興のお役に立つと感じた」と話す。
同社では今後も、現地での社員によるボランティア活動を含めたさまざまな形での復興支援活動を検討、実施していく考えだ。