KNTとクラブツーリズムが業務提携


 KNTとクラブツーリズム(CT)は11日、業務提携の締結に合意した。旧来型の国内旅行市場の縮小と、ニューツーリズム、訪日外国人旅行市場の新たな市場の活性化など、激変する市場に対し、両社それぞれの強みを生かしたビジネスモデルの構築や収益力の強化を図るのが狙い。CTがKNTから分離独立して以来4年半、両社は再び1つになる可能性が出てきた。

 個人旅行に強みを持つKNTと、「旗持ち」といわれる添乗員付き旅行に強みをもつCTが、それぞれの得意分野を生かして商品を販売し合うことで、収益力の拡大を図る。また、地方での交流人口拡大に向けたコンテンツやインバウンド向けコンテンツ、サービスの開発・提供も共同で進め、新しいビジネスモデルの構築を図る。

 このほか、チャーター便の共同運行やイベントの共催、ニューツーリズムや富裕層向けサービスといった成長分野への共同営業も行う。共同仕入れによる仕入れ力の強化と効率化も図る。グループ会社の共同利用なども進める方針。

 12日、東京都千代田区のKNT本社で開いた会見で、内田安次同社副社長は「(合併は)相手のあることだが、検討課題の1つではある。前向きにはいろいろな形で進めたい」と語った。これに対しCT広報課は「あくまでも今回は業務提携」とコメントした。

 CTは、00〜03年までKNT社長を務めた高橋秀夫氏を会長に04年6月、KNTからクラブツーリズム事業の営業譲受を受け新会社として発足したが、今年8月に近鉄がCT株を取得して保有比率を78.4%まで高め、子会社化した。一方のKNTは、近鉄の同社株式保有比率が12.51%のため関連会社に過ぎないが、今年1月、当時近鉄の副社長だった吉川勝久氏が社長に就任、合わせて山口昌紀近鉄会長がKNT会長に就いており、両社において近鉄の発言力は強まっているものとみられる。

 収益力の弱い旅行業をグループ内に2社持つ近鉄が、どのような形でテコ入れするのか、今後の動向が注目される。
 KNTが11日発表した次期中期経営計画(09〜11年)にはCTとの業務提携に関しては盛り込まれていないが、KNTでは、今後両社間でまとまった具体的な業務提携内容や提携が業績に与える影響などについては、適宜開示するという。

 
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