JTB商事(小川幸作社長)は15日、旅館・ホテルの経営者、上級管理職者らを対象とした「旅館ホテル経営セミナー」を愛知県西浦温泉の「天空の宿 末広」で開いた。受講料は1万円。全国から82人が参加した。
小川社長は冒頭あいさつで「企画設計室と旅館ホテル販売本部建装部のアピールの場として4年ぶりにセミナーを企画した。JTB商事の07年度売上高は370億円だが、両事業をてこに、近い将来に500億円にしたい」と力をこめた。
基調講演は、松坂健・西武文理大学サービス経営学部教授による「生き残り=勝ち残り状況をどう戦うか」と、増田慶作・山田ビジネスコンサルティング社長の「金融機関との上手なつきあい方」の2本立て。
松坂教授は「原油高、食材高などのコスト高もあり旅館経営は大変な時期だが、今は目先の売り上げを作ることより、事業の再構築に取り組むことが大事」と指摘。「個人に売りやすい形式の洋室化、使わない宴会場の用途転換、食材仕入れの抜本的見直しなどを行い、将来勝ち残る宿になる準備を粛々と進めるべき」と具体的な提案をした。
山田社長は「装置産業は定期的に適切な設備投資が必要だ。必要な時に必要な額を調達できるようにするためには金融機関の考え方を知る必要がある」とした上で、債務者区分と信用格付けの仕組みなどを解説した。
企画設計室の小輪瀬博子コンサルタントは、01年から07年の間に4回行った末広の投資概要と経緯を説明。館内施設見学会も開いた。
あいさつする小川社長