JTBが16日に発表した2015年度上期(4〜9月)のグループ連結決算は、売上高が前期比1.4%増の6881億1800万円。4期連続の増収で、07年度に次ぐ過去2番目の数字となった。営業利益は同21.5%増の118億5800万円、経常利益が同17.1%増の158億4900万円。国内旅行と訪日旅行が堅調に推移し、増収増益となった。
当期純利益は、前期にサンルートの売却による特別利益があった影響で同29.1%減の102億1900万円。連結対象会社数は国内70社、海外85社、持分法適用会社17社を合わせ172社、従業員数は2万7千人。
旅行事業の売上高は2.2%増の63億2756万円だった。
国内旅行の売上高は6.6%増の3200億3400万円。個人・グループ旅行は、国内パッケージツアー「エースJTB」で早期申し込みの促進、宿泊施設の価値明示を強化した赤パンフレット商品などの販売が好調だった。方面別では、新幹線が開業した北陸方面や、主要ホテルでの専用ラウンジなどの差別化施策が定着した関西・沖縄方面が好調に推移した。
法人営業は、企業の好業績によりインセンティブツアーやMICE需要、職場旅行などの観光性需要が旺盛。ウェブ販売は、国内宿泊予約サイト「るるぶトラベル」の宣伝強化などにより、前期を上回った。
海外旅行の売上高は10.8%減の2484億8600万円。円安や主要観光地でのホテル仕入価格の高騰、国際情勢不安の影響などで個人・グループ旅行は苦戦。法人営業も前期を下回った。
訪日旅行の売上高は、好調な市場の伸びを超える62.1%増の380億円。訪日個人旅行者向けと国内向けの宿泊仕入を一元化したことで、訪日旅行者向けツアー・宿泊予約サイト「JAPANiCAN.com」での予約が、好調だった前期をさらに上回って推移した。
16年度通期の業績見通しは売上高が1兆3250億円、経常利益が220億円、当期純利益が123億円。引き続き、好調な国内旅行、訪日旅行に経営資源を集中するなどして、増収増益を確保する見込み。