JTBが5月30日に発表した07年度(07年4月〜08年3月)のグループ連結決算は、旅行事業を中心に営業が順調で売上高が前年度対比4.7%増の1兆3281億円だった。広告宣伝や人材、基幹システムなどへの積極的な投資により減益となったものの、営業利益で25.4%減の187億円、経常利益で26.9%減の225億円と黒字計上。前年度に旅行券などの未使用分引当処理が済ませたため、当期純利益では214.7%増の111億円となった。
連結対象会社は国内94社、海外62社、持分法適用会社20社を合わせて計176社。対前年で4社増えた。
旅行事業は、売上高で4.5%増の1兆1836億円と堅調に推移。うち国内旅行は1.1%増の6054億円。「自然災害が多かったものの、世界遺産登録や祭りなどの日本文化を見直すマーケットの動きを捉えエースJTBやWEB販売が好調、加えて団体旅行も堅調だった」(JTB)。
海外旅行は6.8%増の5355億円。「海外出国者数が前年を割るなか、人気のアジア、堅調なヨーロッパなどを中心にルックJTB、メディア販売、FITが全体を牽引した」(同)。グループ全体での取扱人員は、出国者推計値の23.0%を占める394万人。
訪日旅行部門は32.3%増の427億円。ビジット・ジャパン・キャンペーンや円安傾向もあり、一般観光に加え大型企業のインセンティブなども獲得して伸びた。
事業形態別では、JTBトラベランドやJTB法人東京、i.JTBなどの機能を特化した会社が伸張。インターネット販売も大きく伸びた。
旅行業以外ではホテル事業が、サンルートホテルチェーンの新規店解説などにより、売り上げを伸ばした。
中期経営計画の最終年度となる08年度は、交流文化産業の確立、ネットに店舗などを連動させたクロスチャネルの推進などにより、経常利益で200億円を見込む。