JTBが16日に発表した2012年度4〜9月期グループ連結決算は、売上高が前期比16.4%増の6379億400万円、営業利益が同404.0%増の171億1100万円、経常利益が同276.3%増の186億8500万円、当期純利益が同408.1%増の103億9千万円だった。昨年自粛の傾向が見られたシニア層の旅行が活発化し3割近い伸びとなり、国内旅行、海外旅行とも堅調に推移するなどして、増収増益となった。
連結対象会社数は国内76社、海外81社、持分法適用会社19社を合わせて176社。
国内旅行部門は、売上高が前期比11.7%増の2828億5600万円。震災前の10年度同期比でも0.9%上回った。
東北方面への旅行は倍増したが、10年度比では23%減と回復が遅れている。しかし、スカイツリーなど新たな施設が多数開業した東京で地方からの集客が大幅に増加し、また、予約状況により価格を柔軟に変動させる宿泊旅行商品が好調だったことなどから、全体では順調に推移した。
海外旅行部門は、売上高が前期比23.3%増、10年度同期比14.2%増の2733億8700万円となった。基幹となる企画商品「ルックJTB」が好調に推移した。
訪日旅行部門は、数次査証が発給された中国やタイ、マレーシア、インドネシアなどアジアでの取り扱いが増加。しかし、震災前の水準には回復していない。訪日旅行と在外拠点が取り扱う旅行を合わせた国際旅行部門は、売上高が前期比24.3%増の244億1500万円だった。
12年度通期での売上高は08年度以来となる1兆2千億円を上回る見込み。利益見通しは、経常利益を従来予想比110億円増の180億円に、当期純利益を同60億円増の80億円に上方修正した。
国内旅行の下期の売り上げは、好調だった昨年下期並みを予測。JTBの大谷恭久・取締役旅行事業本部長は「12年度の宿泊販売目標3500億円は必ず達成する」と力強く約束した。