JR上場4社中間決算、各社売上高が過去最高


10連休で旅客収入増加

 JR東日本、東海、西日本、九州の上場4社はこのほど、2019年9月中間連結決算(2019年4月1日~9月30日)を発表した。ゴールデンウイーク10連休が旅客収入の増加につながるなど、売上高は4社とも中間決算として過去最高を記録した。

JR東日本 営業収入は8期連続増収

 JR東日本の中間決算は、売上高が前年同期比2.1%増の1兆5188億9300万円、営業利益が同1.5%増の2965億6800万円、経常利益が同2.1%増の2791億6200万円、中間純利益が同5.4%増の1885億3400万円の増収増益となった。営業収益は8期連続の増収となるほか、全ての利益が過去最高となった。

 運輸事業では、静岡デスティネーションキャンペーンなど各種キャンペーンを開催するほか、常磐線に新駅「Jヴィレッジ」駅を4月に開業。さらに10連休やお盆期間に臨時列車の増発などに取り組み需要を取り込んだ。流通・サービス事業では、「グランスタ」(東京)で4、7月に新規店舗を開業するなど「くらしづくり(まちづくり)」に取り組み、既存事業の価値向上を図った。不動産・ホテル事業では、土浦駅ビルの改装を進め日本最大級のサイクリングリゾート「PLAYatre TSUCHIURA」にレストランゾーンや物販店舗などを開業するなど開発を進めた。

 このほか、Suica電子マネーのタクシーへの導入など加盟店開拓や、「インド高速鉄道建設事業詳細設計調査」のコンサルティング業務などを行った。

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が同2.3%増の3兆700億円、営業利益が同0.6%増の4880億円、経常利益が同0.6%増の4460億円、当期純利益が同2.0%増の3010億円。

JR東海 新幹線利用が好調

 JR東海の中間決算は、売上高が同4.1%増の9556億1100万円、営業利益が同4.1%増の4068億7300万円、経常利益が同4.9%増の3692億1500万円、中間純利益が2575億3300万円となった。ビジネス、観光とも利用が増え、新幹線の旅客収入が好調に推移し、増収増益となった。

 営業施策では、「エクスプレス予約」「スマートEX」の宣伝活動、「EXのぞみファミリー早特」、静岡DCなど観光型商品の販売促進に取り組んだ。流通業では、「ジェイアール名古屋タカシマヤ」と「タカシマヤ ゲートタワーモール」が連携し、収益力の強化に努めた。不動産業では、「アスティ大垣」や「アスティ静岡東館」でリニューアルを実施するなど、競争力、販売力の強化に取り組んだ。このほか、ホテル業で「名古屋マリオットアソシアホテル」でコンシェルジュラウンジの改装、旅行業で京都、奈良、東京、飛騨など各方面に向けた観光キャンペーンなどと連動した旅行商品を販売した。

 20年3月期の連結業績予想は、当初予想から修正され、売上高が同1.3%増の1兆9020億円、営業利益が同2.8%減の6900億円、経常利益が同2.9%減の6140億円、当期純利益が同2.9%減の4260億円。

JR西日本 昨年の災害から回復

 JR西日本の中間決算は、売上高が同3.4%増の7620億3500万円、営業利益が同13.7%増の1288億7300万円、経常利益が同14.9%増の1216億4900万円、中間純利益が同42.5%増の804億8300万円となった。10連休で旅客収入が好調だったほか、昨年の災害の反動もあり増収増益となった。

 営業施策では、JR東海エリアの駅でのネット予約「e5489」や訪日専門商品の取り扱い開始、熊本DCを生かした九州方面への送客などを行った。流通業では、「ジェイアール京都伊勢丹」のリニューアルを段階的に進めるほか、宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」を4店舗開業した。不動産業では、7月に「ルクア大阪」を運営するJR西日本SC開発と「天王寺ミオ」を運営する天王寺SC開発とを合併した。このほか、ホテル業では5月にハイクラス宿泊主体型ホテル「ホテルヴィスキオ京都」を開業。旅行業では、訪日客への営業展開の強化、法人営業での受注拡大、ウェブ専用商品など個人向け商品の販売拡大に取り組んだ。

 20年3月期の連結業績予想は、当初予想から修正され、売上高が同2.7%増の1兆5700億円、営業利益が同2.6%増の2020億円、経常利益が同3.4%増の1895億円、当期純利益が同16.8%増の1200億円。

JR九州 旅客増も設備費膨らむ

 JR九州の中間決算は、売上高が同1.3%増の2128億6100万円、営業利益が同9.1%減の302億1700万円、経常利益が同11.5%減の310億2600万円、中間純利益が同12.2%減の230億2500万円となった。新幹線と在来線の旅客収入が増えたが、鉄道設備の減価償却費などが膨らみ、増収減益となった。

 営業面では、九州新幹線で今年5月から「Go!Waku Waku Trip with MICKEY」プロジェクトを展開したほか、熊本DC、DCに合わせた「熊本フォーリンラブ」観光キャンペーンを開催し、熊本エリアへの重点送客を図った。また、訪日需要を取り込むため、「JR九州レールパス」の専用予約サイト「JR KYUSHU RAIL PASS Online Booking」で直接販売や指定席事前予約サービスのほか、韓国、台湾、香港、中国を中心に情報発信、販売促進を行った。

 バス事業では、九州新幹線と接続する高速バス「B&Sみやざき」など高速バス路線で利用を促進した。不動産賃貸業では、今年3月に開業した「小倉宿 駅から三十歩横丁」の営業活動など各駅ビルの駅前広場などを活用した積極的なイベント展開を行った。

 ホテル業では、最上位ブランド「THE BLOSSOM」を創設し、8月に東京・日比谷、9月に福岡・博多で新ホテルを開業した。

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が同0.4%増の4423億円、営業利益が同11.4%減の5660億円、経常利益が同14.0%減の5720億円、当期純利益が同13.7%減の4250億円。

 

 

 
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