JITSA、秋季フォーラムでインバウンド議論


 国際観光文化交流協会(JITSA、藤野公孝会長)は1日、「秋季観光促進フォーラム」を東京都内のホテルで開いた。藤野会長=写真=は冒頭のあいさつで「本日10月1日は観光庁4周年の設置記念日、また国交省の設置記念日でもある。ただ観光を動かすのは国ではなく観光業界1人ひとりの力だ」と述べた。その上で「日中関係の悪化など観光業界にとって厳しい環境だが、団結して乗り越えよう」と強調した。

 記念講演はリッツ・カールトン大阪の元社長、飯塚義昭氏による「ザ・ホスピタリティ」と志村格観光庁次長による「観光立国の推進にむけて」。飯塚氏は「海外ホテルは日本の旅館サービスからずいぶん学んでいる」と話した。また志村次長は今後の訪日外国人誘客政策について「中国、韓国、台湾に加えてアセアン諸国全体にプロモーションをかけていく」と述べた。

 「インバウンド促進について」と「地域観光の促進と定着化を考える」をテーマに行われたパネルディスカッションでは、石原直・旅行電子商取引促進機構理事長(目白大学客員教授)をコーディネーターに、田口泰一・藤田観光副社長、中澤敬・草津町前町長、岩井一路・ハトヤ観光グループ社長(京都商工会議所観光・運動部会長)、武田真理子・柴田書店「月刊ホテル旅館」編集長がパネラーに。

 田口副社長は藤田観光の2011年のインバウンド宿泊客実績について「中国人9万2千人、韓国人7万4千人で中・韓で全体の40%を占める」と紹介。岩井社長は京都のインバウンド客の現状について「宿泊客のトップは米国人の年間25万人で、仏、豪、伊がこれに次ぐ。中国人観光客は30万人強が訪れるが9割は日帰り客」と説明した。

 中澤前町長は「温泉は、ホットスプリングスともバーデンともテルメとも異なる。『ONSENを世界語に』を目標に海外PRを行ってきた」と草津町のこれまでの取り組みについて述べた。

 武田編集長は「ここ3〜4年で旅館経営者の代替わりが進み、外国人宿泊客に対する偏見は減ってきたが、インバウンド客の数だけを追いかけることに賛同しない宿もあるのではないか。旅館は日本ブランドの一部を構成している」と語った。

 
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