日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB、猪口邦子会長)は5日、東京都スポーツ振興局招致推進部長の松永竜太氏=写真=を講師に招き、会員向けMICEセミナー「2020年オリンピック・パラリンピック招致について」を日本政府観光局(JNTO)会議室で開いた。
松永部長は、2020年に東京に五輪を誘致した場合の経済波及効果(生産誘発額)が、東京都で約1兆6700億円、その他の地域で約1兆2900億円に上る試算を紹介。内訳は、サービス業が約6500億円、建設業が約4700億円、商業が約2800億円、運輸業が約2400億円などとした。
宿泊業、一般飲食店業、遊興飲食店業、広告業などの「サービス業」への波及は、東京都が4779億円、その他の地域が1731億円。また鉄道運送業、道路旅客輸送業などの「運輸業」への波及は、東京都が972億円、その他地域が1454億円とした。
2020年のオリンピック・パラリンピック開催都市をめぐっては、東京、イスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)、バクー(アゼルバイジャン)、ドーハ(カタール)の5都市が立候補を表明。国際オリンピック委員会(IOC)が5月23日にケベック(カナダ)で開いた理事会で東京、イスタンブール、マドリッドの3都市に絞られた。
来年1月7日締め切りの「立候補ファイル提出」、同2月から4月にかけての「IOC評価委員会による各立候補都市視察」を経て、同9月7日にブエノスアイレス(アルゼンチン)で開かれるIOC総会で開催都市が決定する。
IOCによる第1回世論調査では、東京が賛成47%、どちらでもない30%、反対23%、イスタンブールが賛成73%、どちらでもない25%、反対3%、マドリードが賛成78%、どちらでもない5%、反対16%という結果だった。世論調査の結果は開催都市決定の評価項目の一つとなることから、松永部長は「経済波及効果の大きさなどを積極的に都民、国民にPRすることで支持率アップに努めたい」と話し、誘致に強い意欲を見せた。