日本旅行業協会(JATA)は6月22日、外国人旅行委員会の田辺豊委員長(農協観光社長)名で観光庁に「訪日外国人客の増加に向けた要望書」を送った。要望は、インバウンド取扱業者の適正化の推進、通訳案内士関連問題や中国関連問題への取り組み強化など14項目。外客促進のための要望書の提出は昨年6月25日に続いて2度目。
主に韓国や台湾、香港からの訪日旅行で、低価格を売りとするランドオペレーターが介在し、ショッピングの強要や間違った観光案内、安全対策の不十分なバスの使用といった低品質なサービスがクレームとなり、日本ファンを減少させていると要望書では指摘。観光産業の健全な育成と活性化、訪日旅行者の保護の観点から「訪日旅行取扱業(仮称)」の登録制度の新設を求めている。
通訳案内士は、質、量とも不足している一方、特定の分野に強い通訳案内士、また、留学生やボランティアガイドなどの人材を活用しきれていないと説明。多様なツアーに対応できる新たな通訳ガイド認定制の導入を要求している。
中国関連問題では、団体観光時の自由行動制限の緩和や、身元を保証している日本側旅行会社へのペナルティ制度の撤廃、緩和を要望。また、中国側に対する取扱契約書内容の履行も求めた。
田辺委員長は「訪日外客誘致の拡大は、我が国の経済の活性化、特に地域経済への波及や雇用促進に寄与する。日本国民がより多くの外国人と交流をすることで、相互理解を深めることからも重要だ」と主張。14項目が「速やかに実現されることを切に要望する」と訴えている。