JATA、「新しい旅のかたち」検証 12社で「新」感染対策モニターツアー


志村格理事長

ツアー実施前のPCR検査必須に

 日本旅行業協会(JATA)は3月29日、会員各社で「『新』感染対策モニターツアー」を実施することを発表した。モニターツアーには会員12社が参画し、4月上~中旬に募集ツアーを催行。各社1団体以上(1ツアー10~30人程度)を予定している。最新の知見を取り入れた「新しい旅のかたち」を旅行業界として検証する。モニターツアーの検証結果は5月中旬ごろに発表する予定。

 モニターツアーは、結果を今後の安全安心な旅行実施に当たっての検討材料とするとともに、「旅行業のガイドライン」「新しい旅のエチケット」など旅行会社と顧客の双方を対象とした一連の感染対策に結果を反映することを目的に実施する。各社1泊2日以上の日程で、旅行の目的地は任意で催行される。旅行代金は各社が設定し、PCR検査費など感染症対策に係る経費は主催各社が負担する。

 モニターツアーでは、「新しい旅のかたち」の検証として(1)陽性判明時のお客さまによる報告体制の確立(2)新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の登録(インストールできない人は「旅の記録(紙)」で代用)(3)ツアー実施前のPCR検査(4)健康チェックシートを活用した体調管理(旅マエ1週間、旅ナカ、旅アト2週間)―を実施する。

 同日に東京・霞ヶ関の全日通霞が関ビルで行われた記者会見では、JATAの池畑孝治事務局長が「2月ぐらいから会員と話し合いながら実施を決めた。今回はPCR検査を必須としてモニターツアーを実施する。旅行会社、関係事業者からの報告書、お客さまアンケートを集約し、安全安心対策による効果検証と課題の洗い出しを行う」と話した。また、旅行業のガイドライン、旅のエチケットを必要に応じて改定、アップデートする方針を示した。海外旅行に関しては「管理型の実証実験も時期を見て行いたい」と述べた。

 参加旅行会社は、(1)エイチ・アイ・エス(2)沖縄ツーリスト(3)クラブツーリズム(4)JTBメディアリテーリング(5)JTBロイヤルロード銀座(6)T―LIFEホールディングス/タビックスジャパン(7)東武トップツアーズ(8)日本旅行(9)阪急交通社(10)名鉄観光サービス(11)読売旅行(12)ワールド航空サービス―の12社。

 T―LIFEホールディングス商品企画部の川上堅士部長は「1泊2日のツアーを2本(下田、山梨)催行する。大型バス1人2席利用するほか、食事は部屋食で対応するなど、ソーシャル対策を万全にして安心できる旅を用意する」と感染症対策への順守を誓った。今後は、安全安心対策されたツアーをブランドとして残していく予定だ。日本旅行秘書広報部の桑名美保担当部長は「新入社員の研修、添乗を兼ねたツアーを行う。感染症対策が団体、MICEでの利用につながれば」と取り組みへの期待を寄せる。

 読売旅行の貞弘貴志取締役副社長は「モニターツアー費の多くを持ち出しで行う。PCR検査を付けてのツアーは選択肢の一つとなる」と述べ、今後もさまざまな感染症対策を試していく方針を示した。JTB広報室の小幡梨紗氏は「全国の支店などネットワークを生かした対応をしたい」とグループ間での連携を強調する。

 クラブツーリズム広報の横畠麻実課長は「独自の感染防止ガイドラインに基づいた『クラブツーリズム ニュースタイル』を運用するなど、これまでも厳しい基準を設けてきた。PCR検査付きでお客さまからどういう反応があるか検証したい」と話す。エイチ・アイ・エス広報室の三浦達樹主幹は「今回を機に(1)宿泊施設(2)バス(3)観光施設・レストラン―に対して感染症対策を含めてアンケートを実施する。これまでは海外旅行が主軸だったが、国内旅行も観光施設の貸切ツアーを強化するなど力を入れていきたい」と意気込む。

志村格理事長

池畑事務局長

 
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