JALグループ、2024年3月期 第1四半期連結業績を発表


 JALグループは8月1日、2024年3月期 第1四半期連結業績を発表した。

JALグループは、8月1日、2024年3月期 第1四半期連結業績(2023年4月1日~6月30日)について取りまとめました。

・第1四半期として、4年ぶりにEBIT、当期利益ともに黒字となりました。
・回復する旅客需要を着実に取り込み、19年度第1四半期比においても増収・増益となりました。

1.JALグループ連結業績
当第1四半期における売上収益は3,814億円(前年同期比41.9%増加)、営業費用は3,530億円(前年同期比16.5%増加)となり、EBITは313億円(前年同期差+589億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は230億円(前年同期差+426億円)となりました。当期の燃油費は、燃油市況が下落したものの、需要回復による搭載量の増加により794億円となり、前年同期比13.7%増加しました。営業費用全体においても生産量の増加(前年同期比36.8%増加)以下の前年同期比16.5%増加に抑制し、確実なコストコントロールに努めました。今後は更に利益を伸ばすべく、全社一丸となって努力してまいります。

なお、上記表内、LCCの売上収益は、連結子会社であるZIPAIRおよびスプリング・ジャパン2社によるものです。

2.事業領域別実績
【フルサービスキャリア】
国際旅客需要は、新型コロナウイルス感染症の分類変更による水際対策の終了や、海外発需要に加えて日本発需要も回復基調となり、旅客数前年比は2.2倍、収入は2.4倍となり、今後も着実な回復が見込まれます。
国内旅客需要は、行動制限がなくなり、以前のような社会経済活動が再開したことで、すでにコロナ禍前と同水準の供給体制でお客さまをお迎えしており、旅客数前年比は1.4倍、収入も1.4倍となりました。
貨物事業については、グローバルでの需給逼迫は解消したものの、高い輸送品質を基盤に医薬品等の高付加価値貨物の輸送に注力するとともに、自社および他社供給を活用し、アジア=北米間の貨物を中心に物量の最大化に努めた結果、国際貨物収入は前年比53.7%減となったものの、コロナ禍前を上回る収入規模を維持しております。
【LCC】
ZIPAIRは6月から米国西海岸3路線目となるサンフランシスコ線を開設し、旺盛な海外発需要を中心に需要を取り込み、座席利用率が着実に向上した結果、旅客数前年比は4.6倍、収入は5.7倍となりました。
【マイル・ライフ・インフラ】
マイル発行数の増加、空港売店への来店数増やJAL Mallオープンに伴うコマース売上増、外航復便に伴う受託収入増などにより、全体の収入は前年比で27.0%増となりました。

3.JALグループ連結財政状況・キャッシュフロー状況
・格付評価上の自己資本比率38.9%、ネットD/Eレシオは0.0倍と、共に健全な水準を維持しております。
・6月末の現金および現金同等物は7,160億円となり、未使用のコミットメントライン1,500億円を含め、十分な手元流動性を確保しています。なお、コミットメントラインについてはコロナ禍で増額しておりましたが、業績およびキャッシュ・フロー状況の改善を踏まえ6月30日に減額しております。
・航空旅客需要が回復基調に推移した結果、当第1四半期の営業キャッシュフローは1,236億円のキャッシュインフローとなり、前年同期比で448億円の増加と大幅に改善しております。フリーキャッシュフローも880億円の黒字を確保しております。

4.当第1四半期と直近の取り組み
【ESG戦略】
カーボンニュートラルの実現に向けて、6月にShell社の航空燃料部門であるShell Aviationと2025年から米国ロサンゼルス国際空港にてSAF(Sustainable Aviation Fuel)を調達する契約を締結しました。これにより「2025年度に全燃料搭載量の1%をSAFに置き換える」という目標を達成できる見込みとなりました。また、同月に省燃費機材の円滑な導入のため、当社として2回目となるトランジションボンドを発行しました。
人的資本経営については、現在当社グループの人員数はコロナ禍前と同水準を確保しているものの、今後の人財不足を鑑み、4月には3年ぶりに約2,000名の新入社員を迎え、キャリア採用の募集も開始しました。今後、人財の多様化や生産性向上を実現し、人財を資本と捉えて企業価値向上につながる人的資本経営を推進してまいります。
【フルサービスキャリア事業領域】
羽田発の新たな中国路線として「羽田=大連線」を新規開設し2023年7月より運航を開始しました。また欧州・アフリカ・南米路線への新たなゲートウエイとして「羽田=ドーハ線」を2024年度夏スケジュールより新規開設することを発表しました。
2023年度冬スケジュールより、国際線のフラッグシップ機となるエアバスA350-1000型機を羽田=ニューヨーク線に投入する予定です。これにより、従来機と比べ、燃油消費量を約15~25%削減することが可能になるとともに、客室仕様・サービスを一新し、お客さまの選好性を高めてまいります。
【LCC事業領域】
国際線中長距離LCCであるZIPAIRは、6月よりサンフランシスコ線、7月からはマニラ線に新規就航しました。高い機材稼働・座席効率を活かして15%近い営業利益率を実現し、好調に推移しております。中国線にターゲットを置くスプリング・ジャパン、主に国内線を運航するジェットスター・ジャパン株式会社(以下、ジェットスター・ジャパン)も含めた特徴の異なるLCC3社による成田空港をハブとしたネットワーク構築に努め、若年層やファミリー層など、新たな人流の創出を目指してまいります。
【マイル・ライフ・インフラ事業領域】
5月にオンラインショッピングモール(JAL Mall)を新規開設しました。現在、誘致テナント数は29店舗となっており、10月までに55店舗に拡大予定となっております。株式会社JALUX(以下、JALUX)とのシナジーにより  特別感のある商品を展開することで、マイルのためやすさ・使いつかいやすさ向上に取り組みました。この事業領域では、今後も人やモノのつながりを創造し、新たな収益源にするとともに、つながりを新たな航空需要に結びつけ、航空事業の収益拡大につなげてまいります。

5.2024年3月期連結業績予想
当期の通期連結業績予想については、2023年5月2日に「2023年3月期 決算短信」で公表しました通期の連結業績予想および配当金予想に変更はありません。

 
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