JALは12日、人工知能を活用した空港旅客サービスシステムを試験導入した。
日本航空株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:赤坂 祐二、以下「JAL」)は、アクセンチュア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:江川 昌史、以下「アクセンチュア」)と協力して人工知能(AI)を活用した空港旅客サービス案内の支援システムを開発し、成田空港および羽田空港の国際線チェックインカウンターにおいて12日から試験導入しました。
本サービスシステムは、JALの掲げる2020年に向けた“一歩先行く価値”への挑戦を“人財×テクノロジー”の力で実現するもので、空港スタッフの発言した内容をAIが正確に解釈し、必要な情報を自動でスタッフが持つタブレット端末に表示させることが可能になります。乗り継ぎ便を利用されるお客さまからの経由地での手荷物の問い合わせ、座席アップグレードのご要望、目的地の空港ラウンジの場所など、多岐にわたるお客さまからのお問い合わせに対して、従来はチェックインのために使用するものとは異なるパソコン端末や紙の資料を確認し回答する必要がありました。今回試験導入したシステムでは、AIがスタッフの音声から判断した答えを瞬時にタブレット端末に表示することによって、お客さまをお待たせする時間が大幅に削減され、ストレスフリーに大きく寄与します。加えて、お客さまとの会話・コミュニケーションが活性化することにより、お客さまならびに社員の満足度向上につながることも期待しています。
JALとアクセンチュアは、2018年10月に成田空港および羽田空港のチェックインカウンターにおいて一部のスタッフを対象に実施した有効性の検証結果を踏まえ、本日から実際のチェックイン作業において試験導入を開始します。
今後は、2019年3月末まで試験導入を継続し、評価を行った後に、成田空港・羽田空港での本格導入を検討していきます。
本サービスシステムを利用したチェックインカウンター業務の様子
開発にあたり、アクセンチュアは、AIやデータサイエンスの専門組織「アクセンチュア アプライド・インテリジェンス」が有する技術力や、コンサルティング組織「アクセンチュア・コンサルティング」が有するアジャイル型のプロジェクト推進手法(*)および航空業界における豊富な知見を活用しました。また、複数のAIエンジンと業務プロセスを最適に組み合わせることが可能なアクセンチュアの「AI HUBプラットフォーム」を採用したことにより、わずか2週間でAIエンジンを活用した基盤を開発しました。この基盤は、AIがJALのナレッジデータベースやホームページなどの情報を瞬時に検索・表示するためのもので、音声認識エンジンなど複数のAIエンジンが組み合わされています。また、JALのスタッフによる大幅な調整を加えることなく、AIエンジンの回答精度を業務レベルにまで向上させました。「AI HUBプラットフォーム」がもたらす柔軟性や俊敏性などの特徴は、JALのさらなる成長に寄与するものになると期待しています。
(*) デザインシンキングとロジカルシンキングを組み合わせ、サービスの設計、開発、検証のサイクルを短期間で繰り返すプロジェクト推進手法