HIS、過去最大の赤字 22年度は算出困難


澤田会長兼社長

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄代表取締役会長兼社長)は12月28日、2021年10月期(20年11月1日~21年10月31日)連結決算を発表した。売上高が前年比72.4%減の1185億6300万円、営業損失が640億5800万円、経常損失が632億9900万円、当期純損失が500億5千万円だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響が続き、赤字は前期から約2倍の過去最大額となった。澤田会長は今後について「需要回復局面に向けてスピード感ある経営が必要。徹底したコスト削減、投資用不動産の売却などで手元流動性の確保、DXの活用による生産性の改善などに取り組み、早期に黒字化を図る」と決意を述べた。22年10月期の予想は、コロナ禍で算出困難であるため未定とした。

 旅行事業は、売上高が同88.0%減の430億2800万円、営業損失が383億3600万円(前期は211億2700万円の損失)。海外旅行事業に係わる経営資源を国内旅行事業に転換し、国内パッケージツアー商品のラインアップを拡張。法人事業では、職域接種、地方自治体のワクチン接種に係わる事業など非旅行商品の販売を強化した。営業拠点数は、国内外で統廃合を進め、21年10月末時点で国内161拠点、海外61カ国117都市168拠点となった。中森達也専務は「拠点はあと約3分の1程度減らせる」と方針を示した。

 テーマパーク事業(ハウステンボス)は、売上高が同7.2%増の151億2600万円、営業損失が35億5900万円(前期は34億300万円の損失)。11年ぶりとなる新エリア「光のファンタジアシティ」のオープンや「VRワールド」をリニューアルオープンするなど、積極的な需要取り込みに努めた。入場者数は同7.8%減の127万7千人。澤田会長は「来期は黒字化が見えている。2、3年後での上場、5年後でのカジノ開設に向けて準備を進めている」と話した。売却については否定した。

 ホテル事業は、売上高が同40.2%減の47億5700万円、営業損失が58億6800万円(前期は34億8100億円の損失)、EBITDAベースでは25億5700万円の損失(前期は2億2700万円の損失)だった。沖縄県では国内初となる既存ホテルの不動産取得および事業承継となった「リゾートホテル久米アイランド」、石川県粟津温泉では旅館再生事業の第1号となる「満天ノ 辻のや」などを開業した。澤田会長は「旅館再生事業は好調。他の旅館の運営も手掛けたい」と事業拡大に意欲を示した。

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