旅館・ホテルの生産性向上を目指すコンサルティング「KPIメソッド」を、旅館「HATAGO井仙」(新潟県越後湯沢温泉)とコンサルティング会社のトリノ・ガーデン(東京都港区)が共同開発した。今後、全国の旅館・ホテルに向けて提案する。
新規顧客の獲得、コストカットよりも既存顧客の拡充を重視。顧客のリピート率を上げることで生産性の向上を図ろうという取り組みだ。
顧客が「もう一度行きたくなる」心理を分析。従業員の行動に落とし込み、それぞれの行動について努力目標を設定。目指す行動ができたかどうかを日々管理する。
「従来のコンサルタントは、ホスピタリティの心を醸成する精神論か、接客スキルを上げるトレーニングに終始していた」というが、この事業では「再来店につながるオペレーションの仕組み化」「努力目標を全社員が共有すること」を目指した。
「ホスピタリティや現場力だけではダメ。重要なのは“仕組み化”することだ。分かりやすいKPI(重点管理指標)を設定し、それを軸にPDCAサイクルを全社員で回す文化をつくるのがこの事業だ」とHATAGO井仙の井口智裕社長は強調する。
同館では2年前から「KPIメソッド」を導入し、成果を上げているという。「2年間、自館で行った実証モデルがある。自分と同じプロセスを他の旅館さんも歩んでいただければ」。