日本人2%減、外国人の伸び縮小
観光庁が11月29日に発表した宿泊旅行統計調査の結果、2019年9月の宿泊施設の延べ宿泊者数(第2次速報値)は、前年同月比1.5%減の4375万人泊となり、2カ月連続で前年同月の実績を下回った。内訳は、日本人が2.1%減の3683万人泊で4カ月連続のマイナスだった。外国人は1.7%増の692万人泊となり、中国やラグビーワールドカップ(W杯)出場国の増加などで9月として過去最高だが、韓国の落ち込みで微増にとどまった。
延べ旅行者数は、前の月の19年8月(第2次速報値)の実績が17年2月以来30カ月ぶりに前年同月の実績を下回った。9月も引き続きマイナスとなった要因は、日本人の宿泊者数の減少と、日韓関係の悪化に伴う韓国の宿泊需要の落ち込みとみられる。9月には、千葉県などに大きな被害をもたらした台風災害も起きた。
19年の日本人延べ宿泊者数の前年同月比は、10連休のゴールデンウイーク(GW)などで4月が8.4%増、5月が5.6%増と好調だったが、6月は0.5%減、7月は0.8%減と微減で推移し、8月が2.5%減となっていた。
9月の延べ宿泊者数全体を都道府県別に見ると、30都県が前年同月の実績を下回った。延べ宿泊者数の上位5位の都道府県は、(1)東京都(5.2%減の534万人泊)(2)大阪府(11.0%増の347万人泊)(3)北海道(26.8%増の323万人泊)(4)千葉県(2.6%減の212万人泊)(5)沖縄県(13.5%減の211万人泊)。18年9月には、関西空港が一時閉鎖となった台風災害、北海道胆振東部地震が発生しており、関西や北海道は反動で増加している。
外国人延べ宿泊者数では、韓国が62.4%減の30万人泊と大幅に落ち込んだが、中国は23.9%増の202万人泊、台湾は8.7%増の87万人泊、米国が17.0%増の50万人泊などで好調。ラグビーW杯の出場国も、英国が102.6%増の22万人泊、豪州が26.5%増の24万人泊などと大幅に増加した。
都道府県別の外国人延べ宿泊者数は、25都県が前年同月の実績を下回った。このうち九州7県を含む20県が2桁の減少率だった。都市、地方で比較すると、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)は7.3%増の456万人泊、地方部(三大都市圏以外)が7.6%減の236万人泊だった。
外国人延べ宿泊者数の上位5位の都道府県は、(1)東京都(8.1%減の186万人泊)(2)大阪府(18.4%増の115万人泊)(3)京都府(49.6%増の63万人泊)(4)沖縄県(21.5%減の44万人泊)(5)北海道(9.2%増の39万人泊)―となった。