日本政府観光局(JNTO)が9月29日発表した8月の訪日外国人客数は前年同月比2.0%減の74万2千人となり、30カ月ぶりに前年を割り込んだ。燃油サーチャージの値上げにより、各市場で海外旅行を控える傾向が見られたため。一方、VJCの広告宣伝効果、航空座席供給量の増加などがプラス要因となり香港からの訪日客は8月としては初めて5万人を突破した。
訪日外客数を国別にみると韓国、中国、タイ、北米、英国で減少。特に訪日客数第1位の韓国は、07年8月に対前年同月比20%増となったが今年8月は8.6%減の24万8100人。経済不況にともなうウォン安、燃油サーチャージの高騰の影響で旅行費用が3〜4割高くなっており、JNTOでは急激な回復は見込めないとみる。
外客の多い8月のマイナスは、今年の訪日目標数915万人の達成にも影響しそうだが、「中国や伸びが期待できる重点市場以外の地域へのアピールを積極的に展開する」(同)ことで立て直しを図る方針。
一方、香港は32.7%増の5万4100人と大幅な伸び。定期航空便の新規就航やハローキティを観光親善大使に起用したPR広告などがプラスに作用した。日仏交流年関連のイベント、日本旅行ガイドブックの出版などが奏功したフランスからの訪日客は10.7%増の1万3600人を記録。8月としては過去最高となった。
出国日本人数も燃油サーチャージの値上げが響き10.1%減の151万6千人となった。